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大石哲之:マウントゴックスの民事再生計画の今後は【フィスコ・仮想通貨コラム】  6月28日20時23分

以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2018年6月26日に執筆

先週で最も重要なニュースは、仮想通貨取引所マウントゴックス(Mt.Gox)の民事再生計画のスタートだろう。Mt.Goxは2011年にハッキング被害にあい、75万BTC(ビットコインの通貨単位)が消失して破産した。破産時に残っていたのは20万BTCであり、この配分をめぐって長い破産処理が継続していた。

破産時の評価額は1BTCあたり5万円程度であったが、その後の大幅な値上がりにより1BTCは200万円をつけた時期もあり、これらをすべて円に換金して配当すると、破産時の債権をすべて返却してもあまりが出てしまう。余りの分は株主である元CEOのマーク・カルプレス氏の手元にいくことになり、その額は2000億円以上であるといわれていた。

当時BTCを失ったひとは、1BTCあたり5万円しか返ってこない一方で、元CEOが2000億円儲ける。これはあまりのモラルハザードであるため、別の案が模索されていた。

今回の民事再生計画案では、破産手続きを中止し、Mt.Gox社を存続させる。すでにビットコインを現金化したお金もあるため、債務をすべて返却しても債務超過にはならないはずである。債務超過が前提の破産ではなく、会社を存続させつつ、資産を配分する道が開かれた。

会社の存続が決まれば、ビットコイン建ての債権は、ビットコイン建てで返却する(引き出せるようにする)こともできるようになるため、債権者には朗報だといえる。また、Mt.Gox社に残っている15万BTCほどのビットコインが市場で売られることもなくなるため、下げ相場が続いているなかでは、悪くない材料だろう。

さて民事再生の計画だが、民事再生手続きが「開始」されただけであり、ここから再び破産手続きの時と同様の債権届けや、確定などの諸手続きが続く。これらにどのくらいの時間がかかるのか不明だが、再生計画案の提出期限が平成31年2月14日となっているように、まだまだ先の道のりは長いといえる。ビットコインが返却される時期は、またこれから3年、4年後になってしまうかもしれない。事件から合計で7年、8年かかってしまうことになる。

コインチェックによる仮想通貨ネム(XEM)流出事件は非常に残念な事件であったものの、破産手続きとなればこのような長期の時間がかかることにもなりかねないはずだった。事件に巻き込まれた人にとっては辛いと思うが、速やかな補償による解決は、ベストな方策だったと言えなくもない。

コインチェク事件以降も韓国の取引所を中心に仮想通貨の流出・ハッキング事件は止みそうもない。

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執筆者名:大石哲之
ブログ名:ビットコイン研究所



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