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ブロックチェーン特許増加が物語る(たぶん)明るい未来【フィスコ・仮想通貨コラム】 12月28日14時19分

11月半ば以降、ビットコインの価格が40%も下落して、本格的な冬の到来を実感している投資家は少なくないだろう。だが、仮想通貨の基礎をなすブロックチェーン技術を見ると、歴史はスパイラルを描いて進むというマルクスの言葉を思い出さずにいられない。たしかに今、仮想通貨の価格は右肩下がりだが、この業界そのものは力強い前進を続けていることを、データは示している。

その根拠は特許出願にある。LongHashはグーグルパテントを使って、この1年間のブロックチェーン関連特許の出願動向を調べてみた。すると、その件数は着々と増えていることがわかった。つまりこの分野の技術屋たちは、仮想通貨の価格動向など目もくれずに、研究開発に励んでいるのだ。

さらにLongHashは、これらの特許の出願国を調べてみた。

世界全体で見ると、2017年1月以降のブロックチェーン関連特許出願は3552件。このうち米国が1264件(36%)を占めてトップに立ったことは、ある意味で驚きではないだろう。2位は中国で1061件(29%)だった。つまりブロックチェーン技術の研究者は、米国と中国に集中している可能性が高い。

では、これらの特許を実際に保有しているのは誰か。中国出願を見ると、アリババ集団と中国人民銀行デジタル通貨研究所の名前が目立つ。この2つの組織はそれぞれ、中国における2017年1月以降のブロックチェーン特許出願の20%を占めた。3位につけたのは、中国聯合網絡通信集団(チャイナユニコム)で17%を占めた。

一方、米国ではIBMが78件(6.2%)でトップに立った。2位はバンク・オブ・アメリカで36件を保有する。

これらのデータから、興味深いポイントが4つ浮かび上がってくる。まず、中国政府は本土での仮想通貨取引を全面禁止しているが、その中央銀行(中国人民銀行)は、ブロックチェーン技術の開発を自ら強力に進めていることだ。中国の金融当局は、仮想通貨について懸念は抱いていても、ブロックチェーン技術の潜在性をはっきり認めているのだ。

第2に、金融業界がかなりの数のブロックチェーン関連特許を取得していることだ。このことは次世代のフリクションレス決済システムを確立するうえで、ブロックチェーンが有力な技術であることを示唆している。

第3の注目点は、アリババの存在だ。巨大なeコマース帝国を築いたアリババは、今度はブロックチェーンを支配しようとしているのか。アリババは国際決済の方法として、ブロックチェーン技術を使った2点間決済を採用する可能性が高いが、もっと独創的な活用法も登場することを期待したい。

もっとも、アリババがブロックチェーン技術に投資していること自体は素晴らしいが、この分野に新たな独占を築くことは歓迎できない。理想を言えば、ブロックチェーン技術の分散化特性によって、独占的なテクノロジー企業の利益モデルは崩れることが望ましい。

そこで第4のポイントにつながるのだが、ブロックチェーン特許を保有しているのは、銀行とテクノロジー企業ばかりだ。金融機関やテクノロジー企業に所属しない個人による特許出願はゼロに近い。つまりほとんどの人は、デジタル通貨を売買しているだけで、その根底にあるブロックチェーンの動向には注意を払っていない。

だが、明るい兆しもある。大手銀行やテクノロジー企業のほかにも、ブロックチェーン特許保有者には、コンサルティング会社や小売大手、そして大学の研究機関などが含まれる。つまりたとえ「仮想通貨の冬」が訪れても、この業界の成長を促す技術開発は着々と進んでいるということだ。

仮想通貨取引にリスクが伴うのは間違いない。だが、願わくばこの冬、こうしたデータがあなたを温めてくれることを祈りたい。

(記事提供:LONGHASH)



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