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増え続ける仮想通貨の「消失」、市場の需給への影響は【フィスコ・仮想通貨コラム】  2月15日16時12分

2月初旬、カナダの仮想通貨取引所QuadrigaCXが創業者の急死によってビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を含む1億9000万カナダドル(約158億円)相当の仮想通貨にアクセスできず債権者保護が申請されていた件で、Quadrigaの保管する資産に紐づくとみられるいくつかのアドレスを追求する試みが続けられている。

Quadrigaは、仮想通貨資産の大部分を「コールドウォレット」と呼ばれるオフラインのストレージ・システムに保管しハッキングや盗難被害を防ぐ体制を取っていたが、創業者かつ唯一ウォレットのアクセス管理をしていたジェラルド・コットン氏が急死してアクセスが出来ないとしていた。ただし、これらのコールドウォレットのアドレスは公開されていなかった。

同社の債権者保護訴訟において監査担当を務めるアーンスト・アンド・ヤングは13日、裁判所への経過報告の中で、Quadrigaが誤って103 BTC(約35万ドル)を「当社が現在アクセスできないコールドウォレット(オフラインの仮想通貨保管場所)」に移したと明らかにした。

これを手掛かりに、複数の参加者がブロックチェーン履歴を追跡して、同社のコールドウォレットに紐づく可能性があるアドレスを5つ追跡していると仮想通貨メディアのコインデスクが報じている。ただし、ビットコインのウォレットには実際にはひとつのアドレスではなく複数のアドレスの集合が紐づくものであるため、ブロックチェーンの追跡が100%の成果を上げることは難しいことも解説されている。

ビットコインの管理にあたっては、秘密鍵という資産保有者のみが管理する必要がある文字列や、ウォレットにアクセスするパスワードを注意深く管理する必要がある。それらを紛失した場合、永久に資産にアクセス・利用することができなくなる。

仮想通貨ウォレット企業ビットゴー(BitGo)のリードエンジニアは昨年7月ポルトガルで開かれたカンファレンス「ビルディング・オン・ビットコイン」において、当時までに400万BTCが失われ、200万BTCが盗まれたとする推定を報告している。ビットコインは総発行枚数の上限を2100万枚とプログラムされており、2018年末までに全体の2100万枚のうち約81%強までが発行されている。

この推定に基づけば、全体の発行予定枚数のうち19%程はすでに流通することはない。今後も仮想通貨の管理上のトラブルによって永久的に流通することなく埋もれていく仮想通貨は増えることが予想される。供給量の減少で需給が引き締まること自体は、仮想通貨の価格にはプラスに働くと考えられる。

ユーザーとしては仮想通貨関連企業における仮想通貨資産の管理体制の強化が望まれるが、需給の引き締まりの見える化が進んでいく場合、市場への影響にも注目だ。



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