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読み切れないドル・円【フィスコ・コラム】  2月17日09時00分

ドル・円相場の日々の値動きを予想しにくい地合いが続いています。ドルは世界経済の減速懸念で安全通貨として消去法的な買いが入る反面、アメリカの利上げ休止観測などで積極的な買いは入りにくいためです。目先はどのような展開になるでしょうか。

ドル・円はこのところ、緩やかに上昇する値動きとなっています。1月3日の104円台への急落が「ハプニング」による参考記録だったとすれば、翌4日安値の107円51銭が目下の下値メドと言えるでしょう。その後はおおむね108-110円のレンジ内でもみ合いが続いていました。足元は昨年12月下旬に付けていた111円台に水準を切り上げていますが、さらに上値を追うような勢いは感じられません。

2月に入ってからは、心理的節目の110円を何度かタッチしながら戻り売りに押し下げられ、109円台で燻る展開が数日続きました。通常は大きな節目を上抜ければストップロスを巻き込んで20銭程度上昇しても不自然ではありませんが、投資家は恐る恐るドル買いを進めているように感じます。実際、ある短期筋は「このまま上昇基調が続くとの見方には自信を持てない」と話しています。

2月11日にドルはようやく110円を明確に上抜け、同水準が今度はサポートラインになったとみられます。その後発表されたアメリカの消費者物価指数(CPI)が予想を上回ると、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続を口実にドルは昨年12月末以来の111円台を回復。その翌日は予想以上に悪化した小売売上高を受け、景気腰折れを警戒したドル売りに振れ、再び110円台で推移しています。
しかし、ドルは目先も底堅い値動きが続くとみています。欧州委員会が今年と来年の域内経済の成長について悲観的な見方を示したほか、スペインの予算編成をめぐる政局流動化という新たな火種を抱え、ユーロ買いは後退。英国の欧州連合(EU)離脱は混迷を極めており、3月29日の離脱日までポンド売りも続く見通しです。欧州のこうした情勢は、ドルの安全通貨としての地位を高めるでしょう。

ヨーロッパだけでなく、オセアニアにも景気減速の足音が聞こえてきました。豪準備銀行は政策金利を2016年8月から28会合連続で据え置いているものの、「次の金融政策は利下げでなく利上げの可能性」としてきました。ところが、同準備銀のロウ総裁は直近の講演で利下げを示唆し、市場を驚かせました。金融正常化を後退させたことは新たなドル買い要因となっています。さらに、新興国にも影響が広がりそうです。

とはいえ、ドル・円が上昇トレンドを形成するように見えないのは、1月の連邦公開市場委員会(FOMC)での慎重なスタンスで利上げ休止の観測が広がっているためです。FEDウォッチによると、3月19-20日のFOMCは政策金利据え置きでほぼ一致。今後発表される国内総生産(GDP)や雇用統計などの経済指標の下振れが、そうした観測を後押しするでしょう。年度末までは下げないものの上げもしないドルが続くとみます。

(吉池 威)

※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。




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