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終わりはいつも始まりを運んでくる— 一歩前に踏み出そうとしているあなたへ —【Book】  3月01日17時07分

終わりはいつも始まりを運んでくる。卒業、離婚、死別など大切だった誰かとの別れ、人生が思うようにいかず行き詰まったとき。「もう終わりだ」と思うことは終わりであると同時に、また何かの新たな出発点となる。

私はこれまでたくさんの終わりと始まりを経験してきた。直近でいうと、1年前の大学の卒業式。大学の卒業は大学4年間の終了というだけでなく、小学校から大学までの長い長い学生期間の終わりを意味する。今まで長い間背負ってきた「学生」という看板を下ろすことは、これまでのどの卒業よりも大きなものに感じられた。そして学生を卒業した後、待っているのは入社式。これから社会に羽ばたいていく新社会人としてのスタートを切った。

終わりは終わりじゃない、新たな始まりなのだと気づかせてくれるのが本書『Re-born はじまりの一歩』である。伊坂幸太郎をはじめ、人気作家7人が「始まり」をテーマに人々の“再生”を描いている。

終わりのひとつに人の「死」がある。本書で人の死に触れている、福田栄一著「あの日の二十メートル」と平山瑞穂著「会ったことがない女」は、特に印象に残った。死を前に誰かのために何かを成し遂げようとする老人を見て、若者は心を動かされていき、老人との出会いが新たなはじまりを連れてくることとなる。両作品ともに、ふとしたきっかけで出会い、少しの間だけ一緒に過ごした老人だったが、これからも忘れることのない大きな存在として、主人公たちの中で生きていくのだろうと感じた。

また、将来起こることがないように祈っている「離婚」も、夫婦や家族関係の終わりを意味する。伊坂幸太郎著「残り全部バケーション」は、家族の終わりを描いている。両親が離婚することになり、娘も一人暮らしを始めようという家族解散の日に、家族三人は父親がメールを通して知り合った知らない男とドライブに出かける…という不思議な設定のお話だ。これもまた、見ず知らずな男との出会いが家族の新たな出発点となる。
「レバーとドライブに入れておけば勝手に前に進む」、「気負わなくたって自然と前には進んでいくんだよ」と、人生を車の運転に例える台詞が印象的だ。

7人が描く主人公はそれぞれ年齢も立場もばらばらだが、人との出会いや様々な経験を通して、少しでも一歩前へ踏み出していくということが共通している。

もうすぐ春を迎えるこの季節にぴったりの小説。これから「はじまりの一歩」を踏み出そうとしているあなたはなおのこと、行き詰まっているあなたも、本書を読めばきっと前に進む勇気をもらえるはずだ。

(フィスコ 情報配信部 編集 細川 姫花)

『Re-born はじまりの一歩』(実業之日本社文庫) 伊坂幸太郎・瀬尾まいこ・豊島ミホ・中島京子・平山瑞穂・福田栄一・宮下奈都 著 本体価格619円+税 実業之日本社




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