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DDHD Research Memo(5):ゼットン及び商業藝術の連結効果が増収に寄与  5月27日15時25分

■決算動向

2. 2019年2月期決算の概要
DDホールディングス<3073>の2019年2月期の連結業績は、売上高が前期比13.1%増の50,973百万円、営業利益が同4.0%減の2,115百万円、経常利益が同0.4%増の2,232百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.4%増の1,085百万円と増収ながら営業減益となった。期初予想に対しても、売上高はほぼ計画どおりに推移したものの、利益面では下回る着地となっている。

売上高は、ゼットン及び商業藝術の連結効果(約45億円の上乗せ)に加えて、前期出店分(19店舗)の通年寄与や新規出店19店舗が増収要因となった。既存店売上高(国内)は、アミューズメント事業が前期比104.3%と好調に推移したものの、飲食事業が台風等の影響により同98.8%とやや苦戦した。

利益面では、売上原価率が24.1%(前期は23.4%)に悪化し、それに伴って営業利益率が4.2%(前期は4.9%)に低下した。売上原価率の悪化の背景には、1)酒税法改正に伴うビール等の仕入額の上昇や、2)カフェ業態を中心とするゼットン及び商業藝術の連結化(業態特性)※1、3)国内ウェディング事業への参入による影響(先行費用)の3つの要因が挙げられる。ただ、メニューの変更やグループ内での共同仕入れの実施などにより、第4四半期だけの売上原価率で見ると23.5%に改善しているところは評価すべきポイントである。一方、販管費については、ウェディング施設にかかる減価償却費や2018年2月期に実施したM&Aに伴うのれん償却などにより増加したものの、増収効果や経費削減等により吸収し、販管費率は前期比横ばいで推移した。もっとも、これらのコスト要因はおおむね想定の範囲内である。したがって、利益面で期初予想を下回ったのは、既存店売上高(国内飲食)の下振れによる影響のほか、前期に持分法適用関連会社となったエスエルディーによる持分法投資損失(90百万円)※2を計上したことが主因と言える。なお、親会社株主に帰属する当期純利益については、投資有価証券売却益(691百万円)の計上(特別利益)により増益を確保した。

※1 カフェ業態(非アルコール業態)は、レストラン・居酒屋業態と比べて一般的に原価率が比較的高くなる特性がある。
※2 エスエルディーについては、2019年3月1日より連結化。なお、エスエルディーの直近の決算(2018年4月1日から2019年2月28日まで)については、売上高4,377百万円、営業損失12百万円(前期は110百万円の損失)、経常損失16百万円(同118百万円の損失)、当期純利益21百万円(同531百万円の損失)と損失幅が縮小している。さらに言えば、決算期変更による11ヶ月の変則決算の影響を除くと、営業利益及び経常利益ともに黒字での着地が見込める状況となっていたことから、買収後のPMIも順調に進んでいると言える。


財政状態では、「現金及び預金」が増加した一方、「投資有価証券」の売却や固定資産の償却が進んだことなどにより、総資産は前期末比4.0%減の26,553百万円に縮小。一方、自己資本は内部留保の積み増しにより同3.1%増の5,782百万円に増加したことから、自己資本比率は21.8%(前期末は20.3%)に若干改善した。

主な事業別の業績は以下のとおりである。

国内飲食事業は、売上高が前期比15.2%増の40,143百万円、営業利益が同15.6%減の3,084百万円と増収減益となった。売上高は、ゼットン及び商業藝術の連結効果(3ヶ月分)に加えて、前期出店分(16店舗)の通年寄与や新規出店分(16店舗)が増収要因となった。特に、2017年9月にオープンした国内ウェディング事業※はまだ営業損失段階ではあるものの、売上高では前期比208.3%と順調に立ち上がっている。ただ、既存店売上高全体では台風等の影響により前期比98.8%(計画は前期比横ばい)とやや苦戦した。また、利益面で減益となったのは、前述のとおり、既存店売上高の下振れのほか、酒税法改正の影響や業態構成の変化、国内ウェディング事業、カプセルホテル事業への参入等に伴う先行費用等が要因である。もっとも、第4四半期だけでみると、売上原価率の改善が図られていることに加え、既存店売上高も前年同期比99.5%と堅調に推移しており、今後に向けては明るい兆しもみられた。

※ウェディング施設「京都祝言SHU:GEN」及び料亭「京都幽玄JUGEN」


海外飲食事業は、売上高が前期比1.2%減の1,493百万円、営業損失が66百万円(前期は96百万円の損失)と減収ながら損失幅は縮小した※。既存店が低調に推移したものの、利益面では、前期末に店舗施設資産を減損したことにより減価償却費が減少した。

※ゼットンの海外飲食事業は国内飲食事業に計上されているため、含まれない。


アミューズメント事業は、売上高が前期比7.1%増の9,336百万円、営業利益が9.6%増の1,686百万円と増収増益となった。前期出店分(3店舗)の通年寄与や新規出店1店舗※に加えて、既存店売上高も前期比104.3%増と好調に推移したことが増収要因となった。各種キャンペーンの実施や店舗内での回遊性の向上(複数コンテンツの利用促進)等による客数・客単価の増加に加え、風営法等の解釈基準の改正に伴う規制緩和(ダーツ機の増設や営業時間の延長)も追い風となったようだ。利益面でも、カプセルホテル事業にかかる先行費用を既存店の伸びによりカバーし、増益を確保した。

※カプセルホテル第2号店「GLANSIT KYOTO KAWARAMACHI ~ COMFORT CAPSULE HOTEL ~」(京都市中京区)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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