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ムサシ Research Memo(4):選挙関連市場は成熟市場ではなく成長市場。新型投票用紙自動交付機の成果に注目  7月12日09時04分

■選挙関連ビジネスの動向

ムサシ<7521>が選挙で使用される資機材・システムの領域で圧倒的なシェアを有していることは、広く知られている。選挙関連ビジネスは同社の単体決算の中で選挙システム機材事業に反映されており、その売上高は長期的に右肩上がりで推移している。

選挙関連ビジネスの市場規模は国政選挙の有無により大きく変動する。市場シェアが高い同社は市場自体の変動の影響をよりダイレクトに受けることになり、選挙システム機材事業からの収益も年ごとの変動が大きい。

しかしそうした状況にあってもpeak-to-peakで見れば右肩上がりで推移していることは明白だ。この要因はいろいろ考えられるが、弊社ではもっとも大きいのは省力化ニーズの高まりだと考えている。これは投票業務と開票業務の双方に共通した要因だ。投票業務については期日前投票の増加や有権者年齢引き下げなどが背景にある。一方開票業務については、迅速かつ正確な開票作業へのニーズと、それと相反する人件費抑制の社会的要請が背景にあると考えられる。

こうしたなか同社は、2019年3月に新型の投票用紙自動交付機をリリースした。この最大の特長は、投票用紙が選挙の種類(衆院・参院の別、選挙区・比例区の別など)によって投票用紙の色が指定されることに合わせ、投票用紙の色を自動判別し、投票用紙の「取違え交付」(間違った種類の投票用紙を交付すること)を防ぐ機能にある。間違った用紙で投票すると無効票となるため、行政側は正確な用紙の交付に腐心している。新型機はそのニーズに応えるものだ。従来型は「二重交付」(1人に2枚以上を交付すること)の防止に貢献してきたが、新型機はカラーセンサーの導入で「二重交付」と「取違え交付」の両方を防止できる点が画期的だ。

新型機の価格は1台298,000円で、従来型との価格差は約40,000円と、性能アップに比して価格上昇が抑えられている。上記の機能と価格設定が評価されて、2019年4月の統一地方選に際しても順調に販売が進んだ。2019年7月の参院選ではさらに販売台数を伸ばすと期待されている。投票用紙自動交付機は、累計販売台数が10万台を超えている一大市場に成長している。しかし、有権者の多い大都市でも導入していないところがあるなど、更新需要と新規需要の両面で潜在成長性が大きな市場でもある。新型機はこれまで投票用紙自動交付機を導入してこなかった自治体からも新規受注を多数獲得している。2019年7月の参院選に際してさらに販売を伸ばし、そこでの評価がさらに次回の選挙での需要増加につながるという、ポジティブスパイラルの創出が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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