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アドバネクス Research Memo(9):日本の高い労働生産性を海外に移植し、最低賃金高騰に対応する  7月17日15時59分

■今後の見通し

4. 工場別生産性比較
2017年の日本の時間当たり労働生産性は47.5ドル(4,733円/購買力平価(PPP)換算)と米国の3分の2程度の水準であり、OECD加盟36ヶ国中20位にとどまる。1人当たりの労働生産性(就業者1人当たりの付加価値)は84,027ドル(837万円)で36ヶ国中21位、製造業に限定すると99,215ドル、主要31ヶ国中15位であった。

アドバネクス<5998>の場合、生産人員1人当たり売上高で見た工場別生産性において、日本はタイの約1.7倍、イギリス、米国、上海(中国)の約2倍、インドネシアの6倍以上と極めて高い。2016年1月に開設した埼玉工場は、省力化・省人化に注力したスマートファクトリーを標榜する自動車専用の新工場となる。リードタイムの長期化と先行投資負担により依然赤字であるが、想定よりも新規の受注案件が多く、増設工事を前倒しした。自動化の対象製品は、量産品となる。部品の共通化で1製品当たりの生産量が増加していることも自動化を促進させる。目視検査も機械化する。

生産技術のマザー工場的役割は、新潟工場が担っている。中国やASEAN諸国の賃金高騰には、日本の先進の生産技術を移管して対応する考えでいる。自動化技術を海外に展開するために、日本の拠点は、技術者派遣(駐在)、出張支援、技術的問合せ対応、研修生の受け入れ、工場視察受け入れ、金型や製造装置の輸出を行う。チェコ工場では、日本最高水準の深絞り技術を利用した製品を生産する。地域拠点のイギリス工場が、金型の提供や技術支援をする。

5. 新製品「インスタントロック」
2019年4月に、新製品「インスタントロック」を発表した。ロックワンなどのナット脱落防止スプリングの派生製品となる。ロックワン同様、ばねの復元力を活用した脱落防止具であることなどから、米国航空宇宙規格NAS3350に準拠した性能試験もクリアーしており、確かな緩み止め効果も確認されている。「インスタントロック」は、主に建築物の吊り天井(天井下地)を支える吊りボルトの緩み止め・脱落防止においてニーズを見込んでいる。東日本大震災や熊本地震などの大地震の際に、避難場所となるべき体育館で天井落下事故が起きた。当製品は、天井落下のリスクを軽減させることで、オフィスや作業場、店舗、住居、トンネルなどの安全性の向上に貢献する。

装着方法は、片手で洗濯ばさみをつまむ要領で吊りボルトの下から差し込むだけで、瞬時に取付け・取外しが可能。力も、技術も、工具もトルク管理も不要とする抜群の施工性を持つ。耐震天井や地震に強い内装資材の総合サプライヤーである株式会社桐井製作所が開発に協力し、販売元になっている。延べ床面積1平米に1.5個の使用を前提とすると、全国オフィスビルで1億個以上の市場規模となる。海外での販売も検討している。海外の展示会にも出品し、市場開拓を図る。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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