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ワールドHD Research Memo(9):人材・教育ビジネスは、ものづくり領域でのブランドNo.1を目指す 10月15日15時09分

■新・中期経営計画2021ローリングプラン

2. 事業別戦略
(1) 人材・教育ビジネス
人材・教育ビジネスを取り巻く市場環境は、派遣法改正等による業界淘汰の動きが当初想定よりも緩やかだったものの、「働き方改革」に対する企業の取り組みが本格化するなかで、新たなビジネスチャンスも生まれており、今後も派遣・請負市場の拡大が続く見通しであることに変わりない。こうしたなかで、ワールドホールディングス<2429>はリスクの高いM&Aは行わず、自力成長に注力していく方針だ。

具体的には、管理社員・技能技術社員含め全方位的な人材育成への戦略投資を行い、管理職も含めたチーム派遣、あるいは大規模受託を行えるだけの競争力のある人材プラットフォームを構築することで、真の企業パートナーとしてのコ・ソーシングを実現し、ものづくり領域でのブランドNo.1を目指していく。

特に、2020年4月以降は同一労働同一賃金制が導入されることで、顧客企業による派遣会社のサービス品質も今まで以上に厳格に精査されることになるため、従来のように動員力(人材を確保する力)だけではなく、動員した人材をマネジメントできる組織力が重要となってきている。このため同社では、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーの育成と定着化に取り組み、これらの人材プラットフォームを構築することで、顧客企業が抱える経営課題へのソリューション提供力を強化し、他社との差別化を図っていく戦略となっている。

また、ファクトリー、テクノ、R&D、セールス&マーケティングといった各セグメント間の連携を強化することで顧客企業のニーズを包括的にカバーし、顧客当たり売上高の拡大に取り組んでいくほか、高齢者派遣や副業等の新たな社会ニーズに対応することで、取引顧客数や稼働人員の拡大を図っていく。前述したように、2019年後半から観光産業に特化した人材サービスを新たに開始したほか、不動産販売業務における派遣サービスも開始するなど事業領域の裾野は着実に広がり始めており、今後も着実な成長が期待される。

なお、人材・教育ビジネスにおける在籍人数計画については、2018年12月期の21,577人から2021年12月期には31,451人と約1.5倍に拡大する計画となっている。内訳を見ると、ファクトリー事業が1.3倍の21,420人、テクノ事業が1.8倍の4,451人、R&D事業が1.2倍の1,180人、セールス&マーケティング事業が同3.3倍の4,400人となり、テクノ事業とセールス&マーケティング事業の伸びが際立っている。テクノ事業については業界全体でエンジニア不足が続くなかで、未経験者からの育成に加え既存社員のキャリアチェンジにつながる仕組みによってエンジニアの将来を創造できる受け皿となることで、今後も積極的に在籍人数を拡大していく。また、セールス&マーケティング事業においては登録型スタッフとなり、既存の販売スタッフ・コールセンター・観光産業等以外にも、高齢者向けの短時間勤務や副業等のニーズ拡大を見込んでいる。

(2) 不動産ビジネス
不動産ビジネスは、2021年12月期まで売上高で横ばい水準が続く見通しに見直した。当初の中期経営計画策定段階では2019年頃に一旦、不動産市況の調整局面が到来し、そのタイミングを見計らって仕入れを積極化する方針であったが、不動産市況のバブルが想定以上に長引いたことで慎重な仕入体制が続き、2021年12月期までに販売可能な手持ち物件が少なくなったことが売上高の修正要因となっている。

このため、デベロップメント関連については2021年12月期まで適正規模の範囲内で収益を維持し、不動産再生関連(リノベーション、コンバージョン)に注力していく方針を打ち出している。リノベーションでは更なる営業エリアの拡大や営業体制の強化により、まずは九州、東北、北海道等の地方エリアでトップシェアを目指す方針となっている。また、働き方改革によるシェアオフィスや、宿泊施設等の需要拡大に対応するため、ビルのコンバージョンについても取り組みを開始しており、2020年12月期以降本格展開していく考えだ。その他、新たな不動産事業への進出も検討している。

ストック型であるリノベーションやコンバージョン等の不動産再生関連、並びにユニットハウス、賃貸管理、売買仲介等を安定成長基盤として拡大しながら、フロー型であるデベロップメント関連や戸建住宅関連については市況変動に応じて最適な仕入販売を行うことで、経済環境に左右されない安定した収益基盤の確立を目指す。なお、不動産市況が調整に入った後の事業戦略についても既に策定している。

(3) 情報通信ビジネス
情報通信ビジネスのうち、モバイルショップ運営については顧客のARPU低下によるストック収益の減少や端末の買い替えサイクル長期化によって、業界内におけるショップ統廃合の動きが長期化することを想定し、当面は優良店舗網の構築を着実に進め、2020年以降の5G商用サービス開始に向けた準備を進めていく。将来的にはM&Aを活用しながら九州エリアでトップシェアを目指す方針に変わりない。一方、法人向けソリューションについては、中小企業に対するコスト削減ソリューションだけでなく、IT関連の新商材拡充や営業エリアの拡大によって安定成長を目指して行く戦略となる。

(4)その他
2017年にファームを子会社化して開始した農業公園運営管理については、「こもれび森のイバライド」や「滋賀農業公園ブルーメの丘」などの成功事例を他の運営施設に横展開し、早期の収益化を目指していく。同事業については地域の活性等を目的とした社会貢献事業としても取り組んでいるため、収益への高い貢献度を見込むものではないが、国内では自治体が赤字で運営する農業公園施設が多くあり、これら施設運営を受託し再生に参加することも視野に入れている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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