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明日の株式相場戦略=半導体株の全面蜂起と2次電池フィーバー 10月28日17時43分

 押し目待ちに押し目なしとはいうが、10月後半相場でこれだけ強い動きを継続したことに正直驚かされる。今月を初旬、中旬、下旬に分けた場合、初旬こそ3日に日経平均は430円以上の下落をみせ波乱を予感させたが、その後はバランスを立て直し、中旬以降、つまり10日からは一方通行の上昇トレンドで10勝1敗、下旬になっても勢いは止まらず、仮にあすも高ければ11勝1敗でサイコロジカルライン91.7%となる。

 10月1日からの消費税10%への引き上げも、現状は全くお構いなしという形で、今の相場の懐の深さを感じさせる。2014年4月の消費税率5%から8%への引き上げの際には、そこから約1年間で日経平均は1万4000円台から2万円台まで駆け上がった経緯があるが、この時は外国為替市場での急速な円安進行が上昇気流となった。今回はどうか。足もと円安基調はキープされているとはいえ、それほどインパクトのある収益メリットが発生するわけではない。円高加速への懸念が拭えたという程度。しかも足もとの企業業績はかなり厳しく、試練の決算発表が待っている。となれば、下りのジェットコースターを思い描いてしまうのは、玄人筋であるほど無理のないところ。それを感覚的に否定できても、論理的に10月後半相場で相場が新高値圏を舞い上がる理由を並べられる評論家は皆無だったはずだ。

 相場はある意味で人間の欲望を食い物にする生き物だが、投資家心理のバイアスは上昇相場に限らない。今回は下げを見込んで仕込みに入り、逆の目を引くケース。「空売りユーフォリア(陶酔状態)」の反動による株高だったといえる。外国人投資家は10月第3週に現物で5500億円強、先物でも6600億円あまり買い越しており、現先合わせて1兆2000億円超の買い越しは流れの変化を印象づけるのに十分だ。これまでのような、先物主導のアルゴリズム売買でかき回している相場ではなくなってきたことを少なからず暗示している。

 今週は日米の金融政策会合がメーンイベントとなるが、FOMCでは0.25%の利下げが濃厚、日銀の決定会合ではマイナス金利深掘りを見せ札にしながらも現状維持が有力視される。株式市場はここ連騰を続けているだけに、このタイミングで株価が下に振れた場合は、何かしらの後付け講釈がなされると思われるが、おそらく大勢トレンドに影響はなさそうだ。また、31日の中国製造業PMIの発表も既に底入れ期待が浸透するなか、コンセンサスを下回っても政策期待にすり替わり波乱要因には乏しいと思われる。

 個別株に目を向けると、半導体関連が総蜂起状態。東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>の強さはシンボルストックとして目立つが、やはりひときわ輝きを放っているのはその周辺の中小型株だ。先週の栄電子<7567.T>やきょうの日本電子材料<6855.T>などの急騰劇は、世界的な半導体市況回復という大きなテーマの一片を描写したに過ぎない。そのなか、メモリー製品を取り扱うAKIBAホールディングス<6840.T>が食指の動くチャートだ。また、低位ではNAND型フラッシュメモリーや半導体製造装置を手掛けるミナトホールディングス<6862.T>あたりもマークしておきたい。

 また、リチウムイオン電池や全固体電池など車載用2次電池に絡む銘柄も軒並み高パフォーマンスを上げている。何といっても全固体電池開発に意欲を燃やす三櫻工業<6584.T>の商いを伴った大相場は注目に値するが、ここ何度か紹介した大泉製作所<6618.T>なども上げ足を本格化させている。電気自動車(EV)向けケーブル自動巻き取り式充電スタンドを手掛けるモリテック スチール<5986.T>なども上昇気配が漂い始めた。

 このほか、出遅れ感の際立つ材料株では光ビジネスフォーム<3948.T>も改めてチェックしたい。コンピューター関連の情報用紙を製造・販売するが今回の消費増税に伴う需要の波及が意識される。配当利回り4%台と高く、見逃せないのは1株純資産が前期実績ベースで1200円近くあること。19年12月期は前期比43%増益を見込んでおり、いったん水準訂正相場に動き出せば上値期待が表面化する可能性もある。

 日程面では、あすは10月の都区部消費者物価指数(CPI)が寄り前に発表。2年物国債の入札も予定される。また、マザーズ市場にジェイック<7073.T>が新規上場する。海外ではFOMCが30日までの日程で開催される。また、9月の米中古住宅販売仮契約、10月の米消費者信頼感指数などが発表される。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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