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コラム【アナリスト夜話】:SBI-地銀連合報道-貸倒費用増加で地銀は正念場へ(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那) 11月13日09時12分

11日朝、SBIHD<8473>と福島銀行<8562>との資本業務提携が報じられました。この提携は、島根銀行<7150>の次として少し噂に上っていましたが、今回の件が事実なら、いくつかの銀行が続く可能性が高いでしょう。再び地銀株が盛り上がりそうです。(※同日、両社は資本業務提携を正式に発表しています)

ここにきて地銀の背中を押している理由には、今期、企業倒産の潮目が変わったことがあります。先週から始まった中間決算では、りそな、静岡、七十七などの銀行で軒並み与信費用が大幅に増加していました。実はこの7-9月の全国倒産件数は、前年比8%の大幅増と、リーマン後最悪でした。

背景の一つとして囁かれるのが “企業延命策”の終焉です。リーマンショック後の2009年12月に中小企業救済のために導入された「金融円滑化法」は、2013年に期限を迎えましたが、その後も銀行の「任意報告」は続けられました。ところが、この報告が今年3月ついに終了しました。

この法で救われた企業は40万社を超えるとされています。一時は、企業が「払えない」とFAXを1枚送付するだけでひとまず返済延長が認められたなどとも言われます。時代も令和になり、いよいよこの「平成の徳政令」の“魔法”が溶け始めた(毎日新聞)ことが、今期の与信費用増加の原因になっている可能性があります。

金融円滑化法で、不要な倒産を免れた企業も多かったことでしょう。しかし、中には本業が時代遅れになっていて、転業すれば人的社会的リソースをもっと早く成長産業にシフトすることができたようなケースもあるでしょう。 40万社のうち不良債権が今どの程度残ってしまっているのかは全く不明ですが、現在の全国の不良債権額6.7兆円を5割以上増加させる可能性もあるでしょう。これらの延命をまだ続けるのか、処理するかの判断は、銀行の経営問題だけでなく、日本全体の生産性向上にも繋がります。地銀にはまさに正念場が近づいています。

マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那
(出所:11/11配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)




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