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明日の株式相場戦略=“新型コロナ”一色、局地バブル相場の勘所  1月30日17時44分

 きょう(30日)の東京株式市場は日経平均が400円強の下げとなり、大引けで2万3000円大台を割り込み約3カ月ぶりの安値水準に沈んだ。中長期波動の分水嶺である75日移動平均線を割り込んだことで、目先下げトレンド転換の可能性が出ている。ちなみにマザーズ指数は大陰線を引いて昨年来安値を更新している。

 前日に取引が再開されギャップダウンの形で大きく下値を試す香港株を横目に冷静にリバウンドに転じた東京市場。昨日の当欄で「とりあえず相場の自律神経が失われていないことが確認できた」としたが、どうも甘かったようだ。全体を俯瞰して、きょうは朝方から嫌な感じの売られ方で要警戒ムードを思わせたが、その後一直線に下げ幅を広げ、後場に一段安。先物による売り仕掛けは早朝、現物株の取引開始前から始まっていたが、開始後は抵抗するいとまもなく問答無用で引きずり倒されるような急落を余儀なくされた。香港株安だけでなく、きょう取引が再開された台湾市場では5.75%安と強烈な下げに見舞われた。これは日経平均に換算すると1340円安に相当する。

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大に際し、WHO(世界保健機関)はきょうの日本時間午後9時半に緊急委員会を開催する見通しで、緊急事態宣言の必要性を改めて討議する。もっとも、感染者数の大半は中国内であり、安倍首相は水際対策などのフェーズをもう一段引き上げていく構えをみせている。そうしたなか、全体の地合い悪とは裏腹に新型コロナウイルス対策関連株の上昇パフォーマンスは更に加速した。こちらはまさに“手が付けられない上げ相場”であり、ストップ高の嵐が巻き起こっている。関連株として買われている銘柄群は多分にマネーゲーム的な色彩が強いのは当然としても、その買われ方がちょっと類を見ない。人気の中心軸に位置する銘柄は更に強烈に上値を買い進まれ、それにとどまらず出遅れている銘柄に燎原の火のごとく燃え広がる。文字通りのパンデミック相場だ。

 ツートップ銘柄に位置付けられる川本産業<3604.T>、中京医薬品<4558.T>はきょうも大引けまで値幅制限上限に張り付いたままの集中人気となり、前者は9日連続ストップ高、後者は7日連続ストップ高。これに続く形で昭和化学工業<4990.T>や新内外綿<3125.T>が上限に張り付き4日連続ストップ高を演じた。このほか、興研<7963.T>、重松製作所<7980.T>も値幅制限いっぱいで着地した。一時ストップ高をつけた後に剥がれた銘柄としては、マナック<4364.T>、ニイタカ<4465.T>、大木ヘルスケアホールディングス<3417.T>、アゼアス<3161.T>、日本エアーテック<6291.T>、シキボウ<3109.T>などがある。先駆組は3銘柄を除き値動きが荒くなっているが、依然として投機筋の売買が活発だ。更に、新しいところで低位のユニチカ<3103.T>やダイトウボウ<3202.T>などに人気が集中、ダイトウボウはストップ高で全市場の値上がり率トップに買われた。今の相場は局地的にバブルが発生している状態だが、マスクなどの医療関連素材や薬品関連周辺であれば、ロケットスタートを切った相場の若い銘柄に乗るのがリスクという点では限定的だ。いきなりウリ気配で逃げ場を失うということはないからだ。ただし、後発組は大相場に発展する可能性は低い。一概には言えないが、初動のストップ高は買い向かって回転が効きやすいということはいえる。

 一方、こういう時に鉄火場には踏み込まず、敢えて逆張りスタンスに徹して内容の伴う銘柄で急落しているものを拾うというのは一つの作戦として有効だ。ただし、現時点では落ちてくるナイフをつかむことにもなりかねないため、タイミングがどこになるかはその時の全体の地合いや個別銘柄の板で判断しなければならない。

 参考までに、25日移動平均線とのカイ離が大きく今期業績予想が良好なもの(決算月は限定せず)としては、ホーブ<1382.T>、メンバーズ<2130.T>、nms ホールディングス<2162.T>、ハイパー<3054.T>、マーケットエンタープライズ<3135.T>、メディアドゥホールディングス<3678.T>、セグエグループ<3968.T>、AI CROSS<4476.T>、オリコン<4800.T>、イード<6038.T>、SOU<9270.T>などがある。

 日程面では、あすは12月の有効求人倍率、12月の鉱工業生産、12月の商業動態統計、12月の住宅着工など。海外では、1月の中国製造業PMI・非製造業PMI、10~12月のユーロ圏GDP(速報値)、1月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)など。なお、この日が英国のEU離脱期限となる。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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