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明日の株式相場戦略=「新型肺炎リスク」と「過剰流動性」の戦い  2月04日17時29分

 きょう(4日)の東京株式市場では日経平均が朝安後に二枚腰の粘りをみせ、2万2900円近辺で売り物をこなし、先物を絡め戻りに転じた。大引けは前日終値を110円あまり上回り2万3000円トビ台で着地している。新型肺炎で投資家マインドが萎えているという気配はなく、むしろ先高期待が根強いことをうかがわせる。日経平均株価に連動するETFとして個人投資家の人気が高い日経レバ(=NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信)は、取引時間中のネット証券大手の手口を見る限り個人は朝方から買い越している状況にあり、全体相場のリバウンドを見込む向きが多いということを示唆、押し目買いニーズの強さを映している。

 個別では、局地バブルの一群と化していた一連の新型コロナウイルス関連株は一斉に歯車が逆回転を始めた。予想されていたことだが、川本産業<3604.T>や中京医薬品<4558.T>、昭和化学工業<4990.T>など多くの銘柄が、ストップ安ウリ気配で取引時間中に値がつかない状況となった。ただ、相場全体で見た場合ダメージは少ない。行きも帰りも途中階には止まらない高速エレベーターのような需給オンリー相場で、一体どれだけの投資家がこの売買に参戦していたかは分からないが、おそらくひと握りに過ぎず、ほとんどは傍観者であったと思われる。

 ともあれ決算発表期特有の好実態株物色の流れが戻ってきたことはポジティブ材料だ。主力どころでは1月30日に好決算を発表した富士通<6702.T>が鮮烈な上値追いで輝きを放っているほか、前日に決算を発表したパナソニック<6752.T>や村田製作所<6981.T>は、いずれも19年4~12月期は減益決算であったものの、前者は車載電池事業の損益改善、後者は5G基地局向けデバイスの好調などを拠りどころに、外国人投資家とみられる買いが流入し大きく水準を切り上げた。これは、新型肺炎の感染拡大でリスクオフ環境が盛んに喧伝される一方で、機関投資家など大口資金の物色意欲は失われておらず、言い換えれば相場を取り巻く過剰流動性が健在であることを物語る。東証1部の売買代金も2兆円を超える日が常態化している。

 ただし、目先注意したいのは、きょう決算を発表したソニー<6758.T>の動向だ。スマートフォン向け画像センサーの好調で20年3月期業績を上方修正したが、同社のCFOが新型肺炎の影響で業績見通しを打ち消す可能性についても言及、これが嫌気され全体相場を巻き込むようなら、まだ、今は新型肺炎相場に対する“耐性”ができていないことになる。

 一方、個人投資家の土俵である中小型株に魅力的な銘柄は多い。前日値を飛ばした銘柄ではJストリーム<4308.T>は3連続ストップ高に届かず後半は値を消す展開となったが、アイティメディア<2148.T>は高値圏で利益確定売りを浴びながらも4ケタ大台で着地。アクモス<6888.T>もしぶとく買いを集めて昨年来高値更新まであと一歩と迫る場面があった。アクモスは50億円弱という時価総額の割に売り板の厚い株だが、それだけに全員参加型材料株の素地を内包しているともいえる。2018年に大相場を形成したネオス<3627.T>なども当初は中低位で上値の重い株だったが、“板”が劇的に変わる瞬間があった。業績や材料などファンダメンタルズ面の変化は、当該株の株式需給をも変えてしまうことがよくある。これにアクモスが当てはまるかどうかは分からないが、仮にフシ目の500円を超えてくるようなことがあれば視界は変わる。

 このほか、決算発表を通過している中小型株ではキーウェアソリューションズ<3799.T>、菊水電子工業<6912.T>などが切り返しに転じつつありマークしておきたい。また当欄で1月中旬に取り上げ、いったん上げ足を加速させた後、全体波乱相場に流されて反落を余儀なくされたアルトナー<2163.T>なども同様の足運びで再注目場面とみておきたい。

 日程面では、あすは2月の日銀当座預金増減要因(見込み)が開示。海外では1月のADP全米雇用リポート、1月の米ISM非製造業景況感指数、12月の米貿易収支などが注目される。また、欧州では12月のユーロ圏小売売上高が発表。このほか、タイ中銀とブラジル中銀の金融政策会合が催され、それぞれ政策金利が発表される。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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