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明日の株式相場戦略=相場底入れのゴールデンセオリー  3月02日17時47分

 名実ともに3月相場入りとなった2日の東京株式市場は、これまでの苛烈な下げ相場が一服、主力株をはじめリバウンドに転じる銘柄が大勢を占めた。朝方に日経平均は300円を超える下げで2万800円台まで水準を切り下げたが、その後は先物主導のショートカバーで切り返し、一時は450円あまりの戻りをみせた。その後は伸び悩み結局200円強の上昇で着地している。

 売り一辺倒の地合いにとりあえず歯止めがかかったことで、投資マインドも落ち着きを取り戻した。とはいえ、売り方が焦って買い戻したという印象はなく、今のところ力強さには欠けている。月替わりのタイミングで2月後半の暴落相場からとりあえず身をかわした格好ながら、前週に週間で2244円の暴落をみせていたことを考慮すれば自律反発の領域を出ず、早春の南風が吹き込んできた風情には程遠い状況といえる。では、再び売り方に焦りを感じさせる水準、踏み上げ相場の入り口となるのはどこか。長期波動の分水嶺である200日移動平均線が位置するのが2万2200円近辺。市場関係者の間では、ここを一つのポイントとして挙げる声が多いようだ。

 きょうの戻りを誘発したのは、日銀の黒田総裁が前場段階で緊急談話を発表したこと。黒田総裁は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済先行きに対する懸念を指摘し、金融市場調節や資産買い入れといった緩和的措置を通して、潤沢な資金供給に前向きな姿勢を示した。これだけであれば、リップサービスとみなされ全体相場への影響も限られただろう。しかし、この発言には伏線があった。28日にパウエルFRB議長が「経済を支えるために適切に行動する」という緊急声明を出していた。これは3月の次回FOMCで利下げする用意があることを指し示すもの。このパウエル発言との合わせ技に持っていったところに日銀の上手さがある。

 しかし、金融政策だけで新型コロナウイルスの感染拡大による傷を癒せるわけではない。その意味で財政出動を伴うポリシーミックスの重要性が高まるが、今は何よりも新型コロナを終息させること、もしくはそれが見える状況に持っていくことが先決である。今回のコロナ禍に限った話ではないが、相場が大きく崩れた時、完全に立ち直るために必要なものは何か。それは悪材料に対する耐性だ。センセーショナルなプラス材料で一瞬にして変わるのではなく、悪材料が株価の下落に作用しなくなった時、相場は静かに底を入れる。企業業績への影響は、これから出てくる1~3月の業績に色濃く出てくることは避けられないが、どんなに悪い数字が出ても投資家が「さもありなん」と納得して、今後の回復の方向に目が向くようになれば、流れは自ずと変わってくる。ある意味答えは簡単で、その時を待てばよいということになる。

 きょうは、大きく売り込まれた銘柄から大きな戻りをみせた。5G関連周辺の高田工業所<1966.T>やsantec<6777.T>、テックファームホールディングス<3625.T>といった銘柄や4K・8K関連のリーダー電子<6867.T>やシンクレイヤ<1724.T>などは、派手な戻り足をみせつけた。これらの銘柄は全体リスクオフ相場で問答無用に売り叩かれたが、理屈よりもトバッチリ的に投げ売りを浴びたイメージが強い。きょうは、その鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような瞬発力を発揮した。

 あとは、コロナ禍に関係なく構造的な市況回復局面に入っている半導体関連株に強い戻りを示すものが多い。東京エレクトロン<8035.T>は前週末の下げ幅こそ取り戻せなかったが、1000円超の切り返しをみせたことは、半導体関連の戻り余地の大きさを暗示しているようにも見える。ホロン<7748.T>のストップ高やレーザーテック<6920.T>のリバウンドもそれを裏打ちしている。このほかでは、超純水装置で高い競争力を有する野村マイクロ・サイエンス<6254.T>の1000円近辺も目先注目してみたい。

 日程面では、あすは2月のマネタリーベースが朝方取引開始前に日銀から発表される。後場取引時間中に2月の消費動向調査が開示。このほか、10年物国債の入札も予定されている。海外では、米国のスーパーチューズデー。豪州中銀やマレーシア中銀が政策金利を発表する。また、IOC理事会がスイスで5日までの日程で行われる。
(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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