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明日の株式相場戦略=日銀ETF砲の功罪とここからの個別株戦略  5月13日17時47分

 きょう(13日)の東京株式市場は前日の米株急落を受け日経平均は下値を試す展開を余儀なくされた。前日の米国株市場でNYダウが457ドル安、ナスダック総合指数は下げ率でそれを上回る189ポイント安と派手な下げをみせた。最近はハイボラ相場にも目が慣れていて、ダウ500ドル未満の下げではそれほどのインパクトはないが、今回は終盤につるべ落としのような崩れ足となり、日本時間でいえば未明から朝方にかけての急落だっただけに、東京市場はかなり風向きが悪い中でのスタートを強いられた。しかし、安値は朝方につけた2万56円で、その後は戻り足に転じ2万円大台攻防を意識させるような局面は訪れなかった。寄り後わずか10分少々、300円強下げたところで売り一巡感が出るあたりに今の相場の不思議な強さがある。

 きょうは前引け時点でTOPIXは0.52%の下落をみせており、後場は例によって日銀のETF買い観測が出ていた。これが直接的に売り方の脅威となっているという感じは受けない。ただし、これまで日銀はひたすら日本企業の株を買い増し、そしてそれを売らずに抱え込むという、最強の大株主として君臨していることは確かだ。その結果としてマーケットに生じている品薄感が踏み上げ相場の素地につながっているということは言える。

 振り返って3月の波乱相場で日銀は合計11回もETF砲を轟かせた。そのうち13日までの6回については1回当たり1002億円だったが17日は1204億円に増額した。この前日の16日に前倒しで金融政策決定会合を開きETFの買い入れ枠を年間6兆円から12兆円に倍増することを発表していたが、翌日には早速その片鱗を見せたことになる。しかし、真骨頂を発揮したのはこの後だ。19日から30日までに4回発動し、1回当たりの購入額は一気に2004億円まで膨らませた。結局、3月は1カ月間で合計1兆5000億円を超える金額の株式を日銀は抱え込んだことになる。

 4月は合計10回で1回当たり1200億円強に戻したが、3月下旬の鬼神のごとき買い出動は恐るべしという印象を与えた。仮に売り建てていた向きが、買い戻したいと考えてもこの時に日本株を買い漁った日銀は虎の子のようにして懐に仕舞い込んだまま。株価が下がればまた買い増すのみ。この一連の流れが、今の日本株の底堅さのベースとなっている。全体商いは盛り上がらなくても、ある意味、形を変えた“超金融相場”の色彩を帯びている。ただし、買う側にしても日経平均が2万円台ではなかなか上値を買いに行く気分にならないのも事実だ。ある程度の深い押し目は、空売り筋のみならず、ロングポジションをとる機関投資家の切なる願いといえるのではないか。

 さて、個別に目を向けてみる。何度か紹介してきた朝日ネット<3834.T>が、足もとの好業績と成長期待を背景に最高値近辺で強さを発揮している。今月8日に1103円の上場来高値をつけた後、大口の利益確定売りが出ていったん下押したが、基本的に株式需給関係は良好であり、4ケタ大台を割り込んだ水準は拾い場との認識でよさそうだ。ネット接続大手だが、企業のテレワーク導入が加速する現在、時流に乗る銘柄として継続注目しておきたい。前日に取り上げた東海ソフト<4430.T>やCIJ<4826.T>も引き続き要チェック。前者は4月17日の戻り高値を陽線で奪回しており、形が更に良くなってきた。また、後者もAIロボット関連として材料性を内包し、売買高に厚みが加わってくれば中期的な妙味も高まる。

 巣ごもり消費に絡み一段と活性化しているeコマース関連では、独立系ソフトハウスのシステムインテグレータ<3826.T>が700円台後半で煮詰まっており、上放れ予備軍としてマークしたい。また、4月27日にマドを開けて買われ、その後も売り物を吸収して下値を切り上げる都築電気<8157.T>は当コーナーで幾度となく取り上げた銘柄ではあるが、内容が良く押し目があれば丁寧に拾っておきたい。同社株はPER・PBRともに割安で配当利回りが高い点がポイントで、個人の短期売買とは性質の異なる中期資金を呼び込む背景となっていると思われる。このほか、株価が500円台半ばで値ごろ感のあるメディアシーク<4824.T>に着目。企業向けシステムコンサルが主力で、“ブレインテック”関連のリード役を担う銘柄として見直し買いを呼び込む可能性がある。

 日程面では、あすは4月のマネーストック、4月の工作機械受注など。30年物国債の入札も予定される。海外では4月の米輸出入物価指数が開示される。このほか、メキシコ中銀が政策金利を発表する。
(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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