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明日の株式相場戦略=“バイオ繚乱” 夢を託す大相場の種  6月09日17時37分

 きょう(9日)の東京株式市場は日経平均が7営業日ぶりに反落となった。下げ幅は限定的で強力なブル相場の踊り場に過ぎないというという見方もできるが、明日はメジャーSQ前の魔の水曜日であり日柄的にも変化日に当たる。高水準に積み上がった裁定売り残を考えれば、少なくとも週末のSQ通過までは強い地合いを維持するという見立てが説得力を持つが、相場は生き物であるだけに油断はできない。

 前日の米国株市場はリスクオンの極致といってよい。NYダウをはじめ主要株指数は連日の大幅高でナスダック総合指数については史上最高値を更新するというオマケつき。既にコロナショックから立ち直るというプロセスではなく、コロナ以前の雲のない青空圏に羽ばたく段階にある。しかし、5月の米雇用統計はポジティブサプライズだったが、それが経済のV字回復を必ずしも示唆するものではない。実体経済に目を向ければ、経済再生への期待はひと頃より高まっているとはいえ、まだ傷だらけの状態であることに変わりなく、「株価の先見性を考慮してもさすがに(最高値まで買うのは)やり過ぎではないかとの思いは誰もが持っている」(国内証券ストラテジスト)というのが率直な意見だ。しかし、今ほど世界の株式市場が過剰流動性、いわゆるじゃぶじゃぶの資金に支えられた環境はなく、ファンダメンタルズとの対比では計れない領域に踏み込んでいると理解するよりない。

 10日までの日程で行われるFOMCでは、マイナス金利導入の可能性などが外野席からは喧(かまびす)しかったようだが、実際に導入される公算は小さいようだ。一方、雇用統計が予想を大きく覆す好内容だったが、緩和的な政策スタンスに変化はなく、パウエルFRB議長の会見でもハト派的なコメントが予想される。

 東京市場では前日時点で日経平均ベースの騰落レシオが157%と極めて高い水準にあり、過熱感が拭えなかったことも確か。したがって、一度はある程度深い押し目を形成する可能性も念頭に置きつつ、強い個別株に焦点を合わせた機動的な売買を心掛ける。

 そうしたなか、足もとではバイオ関連株に投資資金が改めて流入している。当欄では、4月13日にバイオ関連でテラ<2191.T>とプレシジョン・システム・サイエンス<7707.T>の2銘柄を取り上げた。その後も何度かフォローしてきたが、きょうまでの2カ月間で両銘柄の株価がここまで変貌することは、正直なところ全く予想していなかった。テラの4月13日の終値は122円だった。きょうは高値波乱となってしまったが、それでも朝方に2175円の高値に買われる場面があった。また、PSSの4月13日終値は502円。きょうは一時ストップ高に噴き上げ3015円まで上値を伸ばした。バイオ関連というのは、今の全体市場と同じで上昇相場に入ったら投資指標で語ることに意味がなくなる。マネーゲームという表現が当たる部分は確かにあるが、夢を買うという株式投資の本質を具現する分かりやすい教材がひしめいているセクターであることも事実だ。

 きょうは、テラやメディネット<2370.T>と同じ東大医科研発の創薬ベンチャーであるオンコセラピー・サイエンス<4564.T>がストップ高で買い物を残した。現時点で具体的な材料は見えないが、株価の値ごろ感に着目する動きがここ数日続いていた。新しいところではトランスジェニック<2342.T>の強いチャートに目が行く。先月18日、福岡県とバイオベンチャーのボナック(福岡県久留米市)は核酸を使った新型コロナの治療薬を共同研究することを発表しているが、トランスGは昨年5月にボナックとの間で、核酸医薬開発に関し包括的業務提携を決めている。直近では炎症可視化マウスに関する米国特許査定を受けたことも発表している。このほか、当欄で5月7日に取り上げたDNAチップ研究所<2397.T>が目先上昇基調を強めており、目を配っておきたい。

 バイオ以外ではAI・IoT及びITソリューション関連、ハードでは5G絡みのデバイス関連が引き続き注目される。ビッグデータ分析のホットリンク<3680.T>や、金融・流通向けDX投資の担い手であるTDCソフト<4687.T>、スマートホームや遠隔医療関連でユビキタス AIコーポレーション<3858.T>などをマークしておきたい。

 日程面では、あすは5月の企業物価指数、4月の機械受注統計など。海外ではFOMCの結果発表と、パウエルFRB議長の記者会見に注目が集まる。また、米中で重要経済指標が相次ぐ。5月の中国消費者物価指数(CPI)、5月の卸売物価指数(PPI)、5月の米CPI、5月の米財政収支など。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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