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日経平均は続伸、こう着相場は強気派のシナリオどおり?  7月03日12時23分

 日経平均は続伸。74.37円高の22220.33円(出来高概算4億6000万株)で前場の取引を終えている。

 2日の米株式市場でNYダウは反発し、92ドル高となった。6月雇用統計で非農業部門雇用者数の増加が市場予想を大きく上回り、経済の早期回復への期待から大きく上昇して始まった。全米の1日の新型コロナウイルス新規感染者数が過去最多に達したと伝わり上げ幅を縮める場面もあったが、トランプ大統領が第4弾の経済対策に着手したことを明らかにし、上昇を維持した。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで120円高からスタート。前場中ごろには22312.44円(166.48円高)まで上昇する場面もあったが、国内外で新型コロナ感染者数が再拡大していること、今晩の米国市場が独立記念日の振替休日のため休場となることから、一段の上値追いの動きは乏しかった。

 個別では、ソフトバンクG<9984>や東エレク<8035>が2%前後、任天堂<7974>が3%
弱の上昇。ソフトバンクGは出資先の米保険レモネードが上場し、好調な出足だったことが伝わっている。ファーストリテ<9983>、ソニー<6758>などは小じっかり。中小型株の売買代金上位入りが目立ち、ガンホー<3765>やGMOクラ<3788>が大きく上昇。前期業績の上振れが好感されたクスリのアオキ<3549>は商いを伴って急伸し、TOWA<6315>などとともに東証1部上昇率上位に顔を出した。一方、トヨタ自<7203>や三菱UFJ<8306>が小安く、武田薬<4502>は2%近い下落。決算が嫌気されたTSI HD<3608>やキユーピー<2809>は急落し、東証1部下落率上位に顔を出した。

 セクターでは、その他製品、精密機器、情報・通信業などが上昇率上位。半面、空運業、水産・農林業、パルプ・紙などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の46%、対して値下がり銘柄は50%となっている。

 前日の米国株が6月雇用統計の内容を好感して反発し、本日の東京市場でも買いが先行。ただ、米国で1日の新型コロナ感染者数が5万人超と過去最多を記録し、東京都でも2日に107人と5月2日以来の高水準となるなど、国内外で感染再拡大が続いている。
今晩の米国市場の休場もあり、上値の重い展開となるのは想定内だろう。雇用統計も5月にサプライズ回復を経験済みで、今回の反応は乏しくなりやすい。東証1部全体としては値下がり銘柄の方がやや多く、前引けでの上昇率は日経平均の0.34%に対し、東証株価指数(TOPIX)は0.14%にとどまっている。

 売買代金上位を見ると、やはり日経平均型の値がさグロース(成長)株が堅調で、TOPIX型の大型バリュー(割安)株が軟調。また、いつもに増して中小型株のランクインが目立つ。ここまでの東証1部売買代金は8000億円あまりにとどまっており、主力大型株の売買は低調だ。業種別騰落率は方向感に乏しい。

 新興市場ではマザーズ指数が7日ぶりに反発。直近6日の下落率が10%超にも上るため、週末を前にひとまず買い戻しの動きもあるだろう。注目のアンジェス<4563>も5日ぶりに反発している。

 アジア市場では中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が堅調。ただ、3日も東京都の新型コロナ感染者数が100人を超える見込みなどと伝わっている。前引けのTOPIXが小幅ながらプラスであることから日銀による上場投資信託(ETF)買い実施も期待できず、後場の日経平均は弱含みとなる可能性がある。

 さて、日経平均の日足チャートを見ると、従来の当欄での見立てどおり22000円台前半でこう着感を強めてきた。3月から5月にかけて売り持ちしていた国内外の投資家を負かした連邦準備理事会(FRB)の資金供給(資産拡大)が足元一服し、「全資産高」は期待しにくいことは従前も述べた。世界的に新型コロナ再拡大が続く一方、経済活動の再開による指標改善や追加経済対策への期待が相場を下支えする。直近の先物手口を見ると、長期投資志向の「実需筋」とみられているメリルリンチ日本証券など、外資系証券の売り越しが見られるものの、相場を下に突き抜けさせるほどの勢いはない。一昨日の当欄で触れたが、米トレーダーは比較的「強気(ブル)派」が多いという。

 ただ、こうしたこう着相場は強気派のシナリオどおりとも言える。株価変動率(ボラティリティー)の低下とともに、足元売り越ししているシステム系投資家らが再び買い戻しに転じてくるとみられる。日経ダブルイン<1357>の純資産総額は過去最大となる6月半ばの水準に接近しており、下げ目線の個人投資家による買い戻しも想定される。米国市場でも一時40台まで急騰したVIX(米株の変動性指数)が2日には27.68まで低下してきた。

 一方、新興株は目先、調整を強いられる可能性がある。このところ指摘していたとおり、個人投資家が余力いっぱいに買っていたため、信用買い残の整理がやや長引きそうだ。しかし、コロナ禍でのニューノーマル(新常態)への期待や低金利環境の長期化といった新興株への追い風はなお続いている。株式需給の改善状況を睨みつつ、押し目買いスタンスで臨みたいところだ。
(小林大純)


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