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橋本総業HD Research Memo(3):管材を深掘りした、多様で安定的な品ぞろえ  7月15日15時03分

■事業概要

1. 取扱商品
橋本総業ホールディングス<7570>の取扱商品は、管類、継手類、バルブ類、化成品類、工具関連機材などの管材類をはじめ、便器・手洗器、洗面化粧台など衛生陶器・金具類、給湯関連や厨房関連など住宅設備機器類、各種エアコンや各種ポンプなど空調機器・ポンプであり、水回りのパイプやガス関連の商品が多いという特徴がある。主要な仕入先メーカーは住宅設備の積水化学工業<4204>や衛生陶器のTOTO、建材・電材のパナソニック<6752>、バルブのキッツ<6498>、エアコンのダイキン工業<6367>など、業界や日本を代表する大手有力メーカーが多い。なかでもTOTOからの仕入高は全仕入の約30%を占めており、メーカーサイドにとっても同社は外すことのできない流通の要となっている。取扱アイテム数は約4万点あり、主要倉庫では売れ筋を中心に常時約1万点以上を在庫しているが、各拠点でも地域に密着した在庫を取りそろえている。なお、2020年3月期のセグメント別売上高構成比は、管材類30.7%、衛生陶器・金具類29.0%、住宅設備機器類16.4%、空調機器・ポンプ22.7%、その他1.3%となっている。

2. 流通構造上の特徴
近年、MRO(間接資材)の販売において、MonotaRO<3064>やアスクル<2678>、アマゾン・ドット・コムなどネット通販業態の成長が目覚しい。メーカーとの直接取引やユーザーへの大量販売を背景に価格が安いというイメージがあり、非効率な多段階流通や中間マージンを是正して成長する新流通と見なされることが多い。こうした株式市場の先入観により、新流通と見られた企業の株価評価は高く、従来型流通と見られる企業は低くなりがちである。確かに一部で流通の短縮や既存流通からの顧客(工事店など最終ユーザー)のシフトが起こることもある。しかしこれは、かつてホームセンターがプロ向け商材を拡充した際の状況に似ている。大型化を進めたホームセンターが巨大な売場に大型機械から建材、MROなど様々な商品を品ぞろえした際、株式市場では既存流通からホームセンターへのプロ客のシフトを予想した。しかし、ホームセンターの既存流通への影響は一部にとどまった。むしろ、DIYer(自ら施工する一般消費者~セミプロ)という新たな市場を創造したことの方が評価されている。これは、ホームセンターのビジネスモデルが工事店のニーズを捉えきれなかったことが理由と考えられる。

ネット通販業態も、単に安く早く商品を流すだけでは工事店のニーズを捉えきることはできないと思われる。最大の理由は、ネット通販業態が情報(説明)を必要としないMROを中心に扱っているのに対し、卸商は専門的な情報を必要とする管材や電材に絞った深い品ぞろえになっているからである。しかも従来の流通は、ホームセンターやネット通販と違って、メーカーと販売店の事情を知って商売をしている。一方、メーカーにも情報伝達や価格維持といった流通への期待があるため、大量取引だけで出し値が変わることは少ないとも言われている。特に同社は、取引先向けに商品情報や地域~マクロの情報、人材の研修・教育などのサービスを提供しており、その他にも設計段階から見積もりに参加するなど業界自体を育成する力があり、メーカー、2次卸、ゼネコン、工事店と川上から川下までが一体となった強固なバリューチェーンの中核になっているという強みがある。これを同社は、仕入先、販売店、工事店及び同社による“4位1体”と言っている。

加えて、同社は古い流通に固執しているわけではなく、新しいIT技術も積極的に取り入れている。同社は、土日祝日も含め24時間365日いつでも注文や在庫検索のできる会員専用Webサイト「Online Partner System(OPS)」を運営している。またネットカタログ「e-設備NET/PRO」では、建築現場で必要となるカタログや図面などをWeb上から取り出すことができる。販売店からのWeb受注は既に売上の2割に達しているが、販売店の効率化のため、さらに比率を引き上げることを目指している。同社がWebを通じた利便性ニーズをしっかり捕捉している証拠である。さらに、全国を網羅した拠点は、ホームセンターやネット通販よりも現場に近いところにあり、そこで現場に密着した在庫を十分取りそろえ、一部エリアでは発注当日に配送することも可能となっている。もちろん、管材に特化したより深い情報やサービスをもって、営業が直接納品することもできる。このように、利便性も価格も同等以上の流通が廃れるわけがなく、むしろ今後も管材の大動脈であることに変わりないと言えるだろう。これは、ネット通販やホームセンターが、期待されながら専門卸の牙城を崩せない理由でもある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)




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