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イージェイHD Research Memo(4):2020年5月期は会社計画を大きく上回る増収増益を達成  8月13日15時54分

■業績動向

1. 2020年5月期の業績概要
E・Jホールディングス<2153>の2020年5月期の連結業績は、売上高で前期比16.1%増の30,394百万円、営業利益で同74.4%増の2,984百万円、経常利益で同87.4%増の3,203百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同60.9%増の2,029百万円となった。売上高は4期連続で過去最高を更新した。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も6期ぶりに過去最高を大幅に更新するなど好決算となった。

受注高は前期比16.8%増の35,492百万円と過去最高を2期連続で更新した。海外受注は新型コロナウイルスの影響もあって減少した。しかし、政府の公共事業費が国土強靭化施策や防災・減災対策を中心に当初計画の約7兆円から8.6兆円に積み上がった。また、民間企業向けもNEXCO(高速道路会社)向け施工管理業務を中心に2ケタ増と好調に推移した。受注残高についても、前期末比32.9%増の24,399百万円と大きく積み上がった格好となっている。なお、業務件数は前期比3.8%増の3,036件と5期連続で増加し、1件当たりの受注額も同12.6%増の1,169万円と上昇傾向が続いた。

売上高は豊富な受注残高と新規受注の順調な獲得により、期初会社計画に対しても4.8%上回って着地した。営業利益率が前期の6.5%から9.8%と大きく上昇したが、増収効果に加えて売上原価率が前期比2.8ポイント改善したことが主因となっている。業務進捗管理の徹底による作業効率の改善に加えて、受注案件の大型化による1件当たり経費率の低下や付加価値の高い案件を中心に受注活動に取り組んだことなどが奏功したと見られる。期初計画では売上原価率について71.4%と保守的な前提を立てていため、売上原価率の改善が利益面での大幅な上振れにつながったと見ることができる。なお、新型コロナウイルス感染症の業績への影響は軽微であった。

販管費の増加を項目別に見ると、人件費(+541百万円)※、減価償却費(+72百万円)、のれん償却額(+92百万円)等となっている。また、新型コロナウイルス感染症対策として、テレワーク環境の整備にかかる投資を約30百万円実施した一方、顧客との打ち合わせについてはWeb会議等で対応したことにより、交通費は前期比30百万円減少した。

※人件費(役員報酬、給料及び手当、賞与、退職給付費用、株式給付引当金繰入額、法定福利費の合計)


営業外収支が前期比221百万円改善したのは、持分法による投資利益を145百万円計上したことが主因となっている。関連会社である演算工房の業績が拡大し、新たに持分法適用関連会社に適用した。山岳トンネル工事向け等に演算工房の製品の売上が増加したものと見られる。

なお、2020年5月期の第2四半期よりアークコンサルタントとアイ・デベロップ・コンサルタンツの2社が連結対象に加わり、売上高で9億円前後の増収要因となった。のれん償却額97百万円の計上により営業利益への影響は軽微だったと見られる。


官公庁、民間向けともに受注高・売上高が2ケタ成長に
2. 受注高、売上高の動向
(1) 受注高の動向
2020年5月期の受注高は前期比16.8%増の35,492百万円となった。内訳を発注機関別で見ると、中央省庁が前期比29.6%増、都道府県が同3.3%増、市町村が同6.5%増となり、官公庁合計では同13.8%増の30,127百万円となった。また、民間向けが同56.4%増の5,180百万円と大きく伸長した。一方で、海外向けは新型コロナウイルスの影響によるJICAの発注延期により同68.8%減の183百万円と低迷した。

また、地域別受注状況では四国を除いて国内の各地域で増加した。アイ・デベロップ・コンサルタンツの子会社化により、九州は前期比102.0%増と大幅増となった。そのほか、関東が同31.7%増、北海道・東北が同25.2%増、中部が同21.1%増、近畿が同12.3%増と2ケタ成長となった。

同社が重点事業分野と位置付ける5分野の受注状況について見ると、合計で前期比24.6%増の18,271百万円と過去最高を連続で更新した。受注全体に占める構成比率では、その他の案件が伸長した影響で前期の48.3%から51.5%に増加している。分野別で見ると、自然災害リスク軽減分野が同26.0%増の7,262百万円と高成長が続いている。ここ数年、多発している集中豪雨や台風等の自然災害に対する防災・減災対策の予算が増強されていることが背景にある。インフラマネジメント分野では、同37.0%増の7,997百万円と大幅に伸びた。発注者支援業務の受注が急増したことによる。また、その他の3分野(環境・エネルギー、都市・地域再生、情報・通信)については、伸び悩む格好となっている。

また、高付加価値型の技術提案型業務の受注額は、前期比26.2%増の11,977百万円と2期連続で増加し、全体に占める比率も前期の31.2%から33.7%に上昇した。採択件数は同12.0%増の279件、平均受注単価は同12.6%増の4,293万円となり、全体の受注単価を押し上げる要因となっている。

(2) 売上高の動向
売上高を発注機関別で見ると、中央省庁が前期比24.0%増、都道府県が同6.0%増、市町村が同19.5%増となった。官公庁合計では同15.4%増の26,055百万円となった。また、民間向けは同31.3%増の3,941百万円、海外向けが同33.3%減の396百万円となった。受注の傾向と同様に、自然災害に対する防災・減災分野の案件が増加した。そのほか、民間向けでは子会社の近代設計で行っているNEXCO向けの業務が拡大した。

地域別の売上状況を見ると、近畿が前期比4.3%減となったのを除き、国内すべての地域で増加した。九州が同89.7%増となった。また、関東が同27.2%増、中部が同22.2%増、北海道・東北が同20.5%増、中国が同18.0%増とそれぞれ2ケタ増となっている。中国については2018年に発生した西日本豪雨災害の復興に向けた案件が寄与した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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