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米国株式市場見通し:経済指標や企業決算で投資家心理は改善か  8月15日14時08分

新型コロナウイルス追加救済策の決定は議会が夏季休暇から戻る9月以降に持ち越される可能性が強まったほか、高値警戒感も根強く揉み合う展開が予想される。ウイルス収束の兆しが見られず、回復ペース鈍化のリスクは残る。但し、最近の経済指標や企業の第2四半期決算で予想を上回る結果が続いており、投資家に安心感を与えている。同時に、依然2000万人程度が失業中で、長期失業者数の増加や企業の従業員解雇計画第2弾も警戒される中、連邦準備制度理事会(FRB)は当面大規模緩和を継続することが見込まれ、9月には更なる追加緩和を実施するとの憶測も下支え要因となる。

今週末予定されていた米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と、中国の副首相による第1段階貿易協定の6カ月検証はスケジュールの都合で延期する見通し。この半年の中国による米農産物購入は公約規模の3分の1の達成率にとどまっている。中国政府はトランプ大統領が使用禁止を発表したTikTokやWeChatなども交渉材料として取り上げる可能性が高く、米中両国が双方の領事館を閉鎖するなど対立が深まる中で、貿易交渉は難航するだろう。トランプ大統領は現在の状況で第2段階の協定を協議する意向はないと表明している。ただ、今週に入り中国は今までにない量の米農産物を購入しており、会合でも第1段階貿易協定の順守を公約すると見られていた。対立をさらに深刻化させる意図は中国側には今のところないようだ。

追加救済策を巡り、トランプ大統領が署名した大統領令が共和・民主党間の交渉を後押しすると期待されていたが、溝は深く膠着状態が続いており、今のところ速やかに合意する気配は見られない。共和党のマコーネル上院院内総務は13日、レーバーデー明けとなる9月8日まで上院採決を行わないことを発表した。但し、追加パンデミック救済策で合意があった場合、24時間の通知で議会は招集される見込みだ。下院もすでに9月14日まで採決を行わないことを発表している。万が一、休会期間中に何らかの合意が成立した場合、ポジティブサプライズとなり相場を押し上げることになるだろう。

経済指標では、8月ニューヨーク連銀製造業景気指数、8月NAHB住宅市場指数(17日)、7月住宅着工件数・建設許可件数(18日)、8月フィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件数(20日)、7月中古住宅販売件数(21日)が予定されている。そのほか、FRBは7月28日、29日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を19日に公表する。FRBはこの会合で、大規模な金融緩和の据え置きを全会一致で決定している。パウエル議長は会合後の会見でFRBの現在の焦点は経済に支援を供給することで、緩和措置の解消が視野に入るのはかなり先との見方を示し、「利上げの検討を考えることさえ考えていない」と超ハト派姿勢を維持した。議事録の内容から9月にフォワードガイダンスの強化などの追加措置に踏み切る可能性を探りたい。

企業決算では化粧品のエスティローダー(20日)、アパレルのLブランズ(19日)、靴小売フットロッカー(21日)、家具メーカーのレージーボーイ(18日)、半導体のエヌヴィディア(19日)などが予定されているほか、特にディスカウントストアのウォールマート(18日)やBJsホールセール・クラブ(20日)、ターゲット(19日)、ホームセンターのホームデポ(18日)などの決算では、パンデミック自粛中もウイルス対策コストが嵩む一方で、オンライン販売急増による業績拡大に期待が集まっている。また、フットロッカーも第2四半期の既存店売上18%増を発表しており好決算が期待される。全般的に化粧品メーカーも比較的好調で、エスティローダーの決算では旅行規制が続く中、中国の需要回復がどの程度業績に貢献したかに注目したい。

(Horiko Capital Management LLC)




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