日経平均は大幅に7日続伸、ワクチン期待や不透明感の後退に伴う先高観が押し上げ 11月11日15時36分
日経平均は大幅に7日続伸した。前日の米国株式市場では、新型コロナワクチンや治療薬開発期待を受けた景気見通しの改善で前日に続きハイテク株から景気循環株にシフトする動きがみられた。こうした流れを受け、本日の東京市場でも昨日同様のバリュー株主導の買いの動きが優勢となった。ただ、本日は半導体関連をはじめとしたハイテク株やグロース株にも買いの動きがみられ、バリュー株一辺倒とはならなかった。
また、昨日大幅高となったJAL<9201>やANA<9202>の空運株のほか川崎重工業<7012>などの重機大手で売られる銘柄もあり、バリュー株の中でも買われる銘柄とそうでない銘柄の選別がみられた。
そのほか、昨日のグロース売りの中で大きく売られたマザーズ指数も本日は朝方こそ売りに押されたものの、その後は持ち直し、指数としては1.59%高と日経平均やTOPIX
(東証株価指数)に引けを取らないパフォーマンスとなった。ワクチン開発が進展しても世界中の人々の手元に届くにはまだ時間がかかるうえ、バリュー買い・グロース売りの理由とされている米国10年物国債の長期金利については、実体経済が回復しきっていないことを考慮すれば、FRB(米連邦準備制度理事会)がこの先も強力な金融緩和政策を続けることが想定されるため、長い間上昇し続けることは考えにくい。そうした先を見据えた冷静な動きが本日は表面化したと考えられよう。このように日々物色対象が変わる動き、資金循環の動きがみられる中、日経平均は一日を通して上値を追う展開となり、バブル崩壊後の戻り高値を連日更新する展開となった。
大引けの日経平均は前日比444.01円高の25349.60円となった。東証1部の売買高は16億
8320万株、売買代金は3兆4841億円だった。セクター別では、不動産、鉱業、保険、海運、銀行などが上昇率上位となった一方、その他製品、空運、情報・通信の3業種のみが下落となった。東証1部の値上がり銘柄は74%、対して値下がり銘柄は全体の22%であった。
個別では、、巣ごもり需要によるライブストリーミングアプリの伸長が貢献する形で7-9月期営業利益が大幅に市場コンセンサスを上回ったDeNA<2432>のほか、懸念されていた中国の時計事業が回復したことで7-9月営業損益が4-6月期から一転して黒字になったカシオ<6952>、米国を中心とした海外販売の好調などから通期業績が一転して営業増益見通しに上方修正された太平洋セメント<5233>などが大幅高となった。一方、バリュエーション水準が割高として国内証券が投資判断を格下げしたカプコン<9697>、第3四半期実績や10-12月期見通しが失望感を誘ったネクソン<3659>は大きく売られた。
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