米国株式市場見通し:ワクチンや速やかな追加経済対策成立に期待 12月05日14時12分
12月は季節的にも新年に向けた新規の買いが目立ち上昇する確率が高く、高値を付ける可能性に期待したい。強気相場において、11月にS&P500種指数が10%上昇した場合、12月も同様の伸びを示すことがデータで証明されていると一部のアナリストはかなり強気だ。国内でワクチン接種が年内に開始されることがほぼ確実になったほか、バイデン政権の次期財務長官にイエレン前FRB議長が指名されたこと、速やかな追加経済対策の成立の可能性が景気見通しの改善につながり相場を後押しするだろう。追加経済対策を巡り、共和党と民主党が交渉を再開しており、11月雇用統計の低調な結果を受け早期成立に向け譲歩が一段と進むと期待されている。11日の合意をめどに取り組む計画で、行方に注目したい。
英国政府はすでにファイザー開発の新型コロナワクチンを承認済みだが、米食品医薬品局(FDA)も10日の諮問委員会で同社のワクチンに関し協議する予定。もし、緊急使用許可が下りれば24時間以内に支給が開始される見通しだ。パウエル議長を筆頭に連邦準備制度理事会(FRB)の高官はワクチンに関して、中期的な見通しにプラスだが経済への効果が不透明で、新型コロナウイルスがさらに猛威を振るうと見られる今後、3-6カ月間の経済がリスクに直面すると警戒態勢を緩めていない。ワクチン接種の拡大とともに来年の春夏ごろには景気の大きな反動が期待されるが、回復を持続させるためにFRBの大規模緩和が当面必要で、追加緩和の可能性も考慮していることが相場の支援材料となるだろう。
経済指標では、7−9月期非農業部門労働生産性、単位人件費(8日)、10月卸売売り高、10月JOLT求人(9日)、11月消費者物価指数(CPI)、新規失業保険申請件数(10日)、11月生産者物価指数(PPI)、12月ミシガン大消費者景況感指数(11日)などの発表が予定されている。次期財務長官に指名されたイエレン前FRB議長が労働市場の動向を判断するために雇用統計と並び注目していたJOLT求人で労働市場のスラック状況(未活用の労働資源)をさらに見極めたい。労働参加率の低下が懸念されており、スラックが再び悪化した場合、FRBの追加緩和の可能性が高まる。
企業決算では住宅建設のトール・ブラザース、洋服サブスクリプションのスティッチ・フィックス(7日)、ペット用品小売りのチューイー、自動車部品のオートゾーン、ゲーム販売のゲームストップ(8日)食品のキャンベルスープ、高級家具販売のRH(9日)、ソフトウェアのアドビ、会員制小売りコストコ、半導体のブロードコム、ヨガアパレル小売りのルルレモン、ソフトウェアのオラクル(10日)などが予定されている。
チューイー、ゲームストップやブロードコムはパンデミック規制が長引く中、売り上げ増で好調な決算が続くと期待される。在宅勤務が拡大する中、郊外への移転が増え、米国経済の中で住宅市場が唯一明るいスポットとなっており、RHやトール・ブラザースも好決算が続く見込み。一方、アパレル関連のスティッチ・フィックスはアナリストが投資判断を引き下げており、業績悪化に警戒したい。
(Horiko Capital Management LLC)
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