株価指数先物 【週間展望】 ―海外機関投資家はクリスマス休暇入り、米追加経済対策合意の吉報を待つ 12月20日17時00分
「海外機関投資家はクリスマス休暇入り、米追加経済対策合意の吉報を待つ」
今週の日経225先物は前週同様、12月SQ値(2万6713円)を挟んだ2万6500円から2万7000円レベルでのレンジ推移が見込まれる。
18日の米国市場は主要な株価指数が下落したが、価指数先物、株価指数オプション、個別株オプション、個別株先物の清算日(クアドルプル・ウィッチング)であったことからSQに絡んだ需給要因が大きいだろう。21日にテスラがS&P500指数に組み入れられるためのリバランスの需給も影響しているとみられる。今週はS&P500組み入れ後のテスラ株の動向、これを受けたS&P500への影響などを見極めたいところである。
また、米国の追加経済対策を巡る協議の合意期待は都度高まるものの、期待されていた18日の合意はならず、依然として不透明要因となる。クリスマスまでには合意につなげたいとされるなか、市場は「年内の合意成立」の吉報を待つことになりそうだ。そのほか、英国と欧州連合(EU)との通商交渉の行方についても、欧州委員長が大きな相違が残ると指摘したと伝わっており、不透明要因となる。
海外の多くの機関投資家は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に通過したほか、クアドルプル・ウィッチングによる需給イベントも波乱なくこなしたことにより、冬休みに入るとみられる。先週の時点においても日経225先物の売買高は14日が4万4737枚だったが、18日は2万4133枚と半減していることからみれば、今週は一段と商いが細る可能性がありそうだ。
さらに24日はクリスマスイブで欧州の一部が休場となり、25日のクリスマスは欧米の多くの市場が休場になるため、週半ば以降は方向感が出にくくなり、短期のヘッジファンドなどによる回転売買にとどまりそうである。ただし、薄商いで指値状況も薄いため、米国の追加経済対策の合意などが伝わるようなら、少ないエネルギーでも大きく動きやすい点は意識しておきたい。もっとも、こうしたサプライズ的な動きが可能性としてあるなかでは、積極的にポジションを傾ける流れにはなりづらく、結果的にはリバランスにとどまる。
そのリバランスの動きであるが、先週は明確にはバリューシフトはみられていないものの、東京エレクトロン <8035>など指数寄与度の大きい値がさハイテク株の一角が軟調だった一方で、素材株が買われたことによってTOPIX優位の展開となり、NT倍率は先物中心限月で前週の14.94から18日には14.89に低下している。チャート上では5日、25日移動平均線に抑えられる形状であり、テクニカル的には想定内の低下といったところであった。今週はこの流れが継続するかが注目されやすいだろう。
なお、米連邦準備理事会(FRB)は18日、銀行ストレステスト(健全性審査)の結果が良好だったとし、規制を緩和することを発表している。配当の支払い制限は継続されるが、自社株買いが解禁される。この発表を受けてJPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、シティグループ、ゴールドマン・サックス・グループといった大手銀行が一斉に自社株買いを再開する意向を明らかにしている。米国では今後、銀行株へ物色が向かう可能性があり、日本においてもメガバンクなどへの資金流入の思惑が高まりやすく、これがTOPIXを優位にさせてくることが意識されそうである。
また、新型コロナワクチンについて米食品医薬品局(FDA)は、モデルナが開発したワクチンに緊急使用許可を付与した。米ファイザーと独ビオンテックのワクチンに続き2例目となり、センチメントを明るくさせることが期待される。また、米ファイザーは18日にワクチンの製造販売承認を厚生労働省に申請したが、政府は来年2月にも接種を始められるように、保管や運搬体制などの方針を1月までに策定するとしている。日本でも治験は始まっているが、主要なデータの提出は2月になる見通しと伝わっており、連日で国内の新規感染者数が最多を更新するなかでは、楽観的な反応は期待しづらい。そのため、バリューシフトは明確には出にくいため、NT倍率の方向性も見極めづらくなりそうだ。
経済イベントでは、21日に欧12月消費者信頼感。22日に英7-9月期四半期国内総生産(GDP)改定値、米7-9月期四半期GDP確定値、米12月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、米11月中古住宅販売件数、米12月リッチモンド連銀製造業指数。23日に10月景気動向指数、米11月耐久財受注、米11月個人所得/支出、米12月ミシガン大学消費者態度指数確報値、米11月新築住宅販売件数。24日に11月企業向けサービス価格指数、25日に11月失業率/有効求人倍率、11月百貨店/スーパー販売額、11月新設住宅着工戸数などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
6月限 日経225 22071.46 TOPIX 1550.43
7月限 日経225 22601.81 TOPIX 1555.00
8月限 日経225 23350.79 TOPIX 1626.38
9月限 日経225 23272.88 TOPIX 1627.21
10月限 日経225 23724.23 TOPIX 1658.41
11月限 日経225 25480.28 TOPIX 1718.75
12月限 日経225 26713.47 TOPIX 1777.95
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
21/3 12月18日 26780 26810 26640 26740 -30
21/3 12月17日 26670 26780 26620 26770 +100
21/3 12月16日 26630 26810 26610 26670 +40
21/3 12月15日 26730 26770 26540 26630 -60
21/3 12月14日 26570 26800 26380 26690 +170
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
21/3 12月18日 1790.0 1795.0 1783.5 1795.0 +5.0
21/3 12月17日 1783.0 1791.5 1777.0 1790.0 +7.0
21/3 12月16日 1777.5 1794.0 1777.0 1783.0 +5.5
21/3 12月15日 1788.0 1794.0 1774.5 1777.5 -9.0
21/3 12月14日 1776.0 1802.5 1766.5 1786.5 +12.5
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日比
12月18日(3月限)26705 -35
12月17日(3月限)26750-20
12月16日(3月限)26755+85
12月15日(3月限)26760+130
12月14日(3月限)26655-35
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
12月11日 1兆4152億円 -2740億円 4041億円 -767億円
12月4日 1兆6893億円 +746億円 4808億円 -828億円
11月27日 1兆6146億円 -159億円 5636億円 +562億円
11月20日 1兆6303億円 -1283億円 5074億円 -200億円
11月13日 1兆7589億円 -2790億円 5274億円 +1170億円
11月6日 2兆0380億円 +1464億円 4104億円 +337億円
10月30日 1兆8916億円 +80億円 3767億円 -578億円
10月23日 1兆8836億円 -317億円 4345億円 -37億円
10月16日 1兆9153億円 -947億円 4383億円 -204億円
10月9日 2兆0100億円 +1308億円 4588億円 +82億円
10月2日 1兆8791億円 +746億円 4506億円 +69億円
9月25日 1兆8044億円 +486億円 4436億円 +359億円
9月18日 1兆7558億円 +117億円 4076億円 +411億円
9月11日 1兆7441億円 +474億円 3665億円 -1864億円
9月4日 1兆6966億円 +860億円 5530億円 +419億円
8月28日 1兆6106億円 -411億円 5110億円 -105億円
8月21日 1兆6517億円 -184億円 5216億円 +184億円
8月14日 1兆6702億円 -1078億円 5031億円 +1271億円
8月7日 1兆7780億円 +1386億円 3759億円 +153億円
7月31日 1兆6393億円 -1332億円 3605億円 -93億円
7月22日 1兆7726億円 +319億円 3699億円 +15億円
7月17日 1兆7407億円 -825億円 3684億円 +500億円
7月10日 1兆8232億円 -214億円 3183億円 -665億円
7月3日 1兆8447億円 +241億円 3849億円 +60億円
6月26日 1兆8206億円 -672億円 3788億円 +147億円
6月19日 1兆8878億円 -480億円 3640億円 +786億円
6月12日 1兆9358億円 -3999億円 2853億円 -1746億円
6月5日 2兆3357億円 -896億円 4600億円 -384億円
5月29日 2兆4254億円 -1453億円 4984億円 +317億円
5月22日 2兆5707億円 +732億円 4666億円 +156億円
5月15日 2兆4974億円 +1437億円 4509億円 -681億円
5月8日 2兆3537億円 +687億円 5191億円 +195億円
5月1日 2兆2850億円 -1275億円 4995億円 +223億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
12月16日 5億3628万株 -544万株 1億3894万株 +341万株
12月15日 5億4173万株 +141万株 1億3552万株 -28万株
12月14日 5億4031万株 +699万株 1億3581万株 -1553万株
12月11日 5億3332万株 -3262万株 1億5134万株 -5588万株
12月10日 5億6595万株 -2010万株 2億0723万株 +1002万株
12月9日 5億8605万株 -2689万株 1億9720万株 +728万株
12月8日 6億1294万株 +4528万株 1億8992万株 +2038万株
12月7日 5億6766万株 -2622万株 1億6954万株 -2905万株
12月4日 5億9388万株 +1407万株 1億9859万株 -1789万株
12月3日 5億7980万株 +72万株 2億1648万株 -966万株
12月2日 5億7907万株 -63万株 2億2615万株 -384万株
12月1日 5億7971万株 -353万株 2億2999万株 -1071万株
11月30日 5億8325万株 +3795万株 2億4071万株 +712万株
11月27日 5億4529万株 +1489万株 2億3358万株 +1320万株
11月26日 5億3039万株 -201万株 2億2038万株 +1509万株
11月25日 5億3241万株 -696万株 2億0528万株 +131万株
11月24日 5億3937万株 -3166万株 2億0397万株 -1328万株
11月20日 5億7103万株 +599万株 2億1726万株 -564万株
11月19日 5億6503万株 -2761万株 2億2290万株 +652万株
11月18日 5億9265万株 -1052万株 2億1638万株 +163万株
11月17日 6億0318万株 -2214万株 2億1475万株 -1483万株
11月16日 6億2532万株 -539万株 2億2959万株 +892万株
11月13日 6億3071万株 -6978万株 2億2066万株 +1743万株
11月12日 7億0050万株 -1976万株 2億0323万株 -147万株
11月11日 7億2026万株 -553万株 2億0470万株 +1187万株
11月10日 7億2579万株 -801万株 1億9283万株 +1077万株
11月9日 7億3380万株 -1051万株 1億8205万株 +601万株
11月6日 7億4431万株 +508万株 1億7604万株 +137万株
11月5日 7億3923万株 -106万株 1億7466万株 +141万株
11月4日 7億4029万株 +1595万株 1億7324万株 +201万株
11月2日 7億2434万株 -709万株 1億7123万株 +209万株
10月30日 7億3144万株 +305万株 1億6914万株 -94万株
10月29日 7億2838万株 +198万株 1億7008万株 +185万株
10月28日 7億2640万株 +975万株 1億6823万株 -544万株
10月27日 7億1664万株 +452万株 1億7368万株 -833万株
10月26日 7億1212万株 +1144万株 1億8201万株 -57万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
6月11日 1001億円
6月12日 1001億円
6月18日 1001億円
6月19日 1001億円
6月25日 1001億円
6月29日 1001億円
7月9日 1002億円
7月10日 1002億円
7月20日 1002億円
7月27日 1002億円
7月29日 1002億円
7月31日 1002億円
8月5日 1003億円
8月18日 803億円
9月4日 801億円
9月9日 801億円
9月15日 801億円
9月17日 801億円
9月23日 801億円
9月24日 801億円
9月29日 801億円
10月14日 701億円
10月16日 701億円
10月22日 701億円
10月28日 701億円
10月29日 701億円
10月30日 701億円
11月13日 701億円
11月18日 701億円
株探ニュース
【関連ニュース】【↓】日経平均 大引け| 3日ぶり小反落、円高進行で利益確定売りが優勢 (12月18日)日経平均18日大引け=3日ぶり反落、43円安の2万6763円14時の日経平均は43円安の2万6762円、東エレクが37.81円押し下げ
Copyright (C) MINKABU, Inc. All rights reserved.
カテゴリ 「みんかぶニュース その他」 のニュース一覧
-
2月28日17時00分株価指数先物 【週間展望】 ―米金利動向を睨みながらも、いったんリバウンドを想定
-
2月21日17時00分株価指数先物 【週間展望】 ―海外勢によるTOPIX型の買い継続、リフレトレードを見極め
-
2月14日17時00分株価指数先物 【週間展望】 ―SQ値を捉えてくれば、3万円大台を想定した流れが強まる
-
2月07日17時00分株価指数先物 【週間展望】 ―日経平均2万9000円射程もNTショートが優位の状況
-
1月31日17時00分株価指数先物 【週間展望】 ―金融変動リスク高まりシステマティック系の売りには注視しておきたい
-
1月24日17時00分株価指数先物 【週間展望】 ―海外投資家の比率修正を意識も、ポジションをショートに傾けるのは避けたい
-
1月17日17時00分株価指数先物 【週間展望】 ―バイデン大統領就任で政策期待高まるも、調整リスクが意識され始める
-
1月11日17時00分株価指数先物 【週間展望】 ―1米大統領就任に向けて大規模経済対策への期待が買い材料に
-
1月03日17時00分株価指数先物 【週間展望】 ―1都3県に緊急事態宣言が発出ならアルゴ発動を警戒
-
12月20日17時00分株価指数先物 【週間展望】 ―海外機関投資家はクリスマス休暇入り、米追加経済対策合意の吉報を待つ