明日の株式相場に向けて=テーマ株物色の急所を見極める 12月21日17時00分
週明け21日の東京株式市場は寄り付きこそ買いが先行し、日経平均株価は高く始まったものの、その流れは続かず開始15分後にはマイナス圏に沈む展開となった。日銀のETF買いの思惑も背景に、下値では押し目買いが入り後場は一貫して下げ渋ったが、前週末終値には届かず、結局48円安の2万6714円と続落となった。
米国では大型の追加経済対策がどうやら与野党合意段階に至ったようだ。日本円にして約93兆円規模とされ、「事前の民主党案には届かないものの概ねポジティブな金額」(国内ネット証券アナリスト)という認識が広がっている。一方で感染拡大に歯止めがかからない新型コロナウイルスについては欧州で再び外出制限など行動規制が始まったことで、マーケット心理を弱気に傾けている。
日本でも欧米のコロナ禍を対岸の火事ではないと言いながらも、これまでは「実際のところこちらの岸に火の手が上がっているわけではない」という本音の部分での余裕があったようにも思われる。しかし、それも怪しくなってきた。「Go Toキャンペーン」を今さら批判しても始まらないが、政府当局を含めて高を括っていた部分のツケが回り始めている。英国での“コロナ変異種”が確認され、これが既にイタリアなど大陸側に及んでいるとなると、またも未知のステージへの警戒感が強まり、ワクチン普及期待を希薄化させることにもなりかねない。
ただ、一つ忘れてはならないことがある。今の超金融相場は新型コロナへの対応によって創出した局地的バブルの初動だ。ビットコイン市場やコモディティにも溢れ出た余剰資金が流れ込んでいるが、やはり本命は株式である。新型コロナの脅威が拭えない段階では、この流動性相場が終わることはない。したがって、新型コロナの感染者数が拡大して実体経済がフリーズ状態となっているさなかに株が大崩れすることはない。下がれば押し目買いのチャンスとなる。これが今のマーケットにおける不文律だ。
個別ではひと通り買われ、なかなか急所が見えにくい地合いとはなっているが、常に急所がどこかを考えるという作業は大事だ。米国ではセキュリティー関連株に大きく買われるものが目立っており、これは一つのヒントとなる。最近は、はっきりした背景が確認できないものの有事リスクが意識され防衛関連株が買われたりしたが、サイバー防衛もその有事の流れに合流する。FFRIセキュリティ<3692.T>、イー・ガーディアン<6050.T>のほか、業績好調で動き出すと足の速いNo.1<3562.T>あたりに注目してみたい。
直近IPO銘柄ではバルミューダ<6612.T>が予想外の急騰となっている。さすがにここから追撃するのはリスクが大きいが、同社株の場合、家電製品・こだわり・デザインといったワードが今のコロナ禍での巣ごもりのテーマとシンクロして思わぬ人気を呼んだとみられる。ちなみに、きょう新規上場のいつも<7694.T>も人気だが、事業内容はEC総合支援ビジネスである。直近IPO銘柄以外で、巣ごもり関連の一角ではここ休火山状態にあったスクロール<8005.T>あたりも目を配っておく価値がありそうだ。信用買い残の多さはやや気になるものの、ひと頃からはだいぶ整理が進んでいる。
このほか、低位株は間欠泉のように日替わりで動意株が相次いでいる。そのなか、じりじりと上値指向を続けるSEホールディングス・アンド・インキュベーションズ<9478.T>に着目。噴いたところは買わず、25日移動平均線とのカイ離調整場面を狙う。また、人工知能(AI)関連の一角では13週・26週移動平均線が1200円台半ばで収れんするクレオ<9698.T>が上放れる兆しをみせておりマークしたい。
あすのスケジュールでは、11月の全国スーパー売上高、11月の百貨店売上高など。また、IPOが3社予定され、東証マザーズ市場にヤプリ<4168.T>、Kaizen Platform<4170.T>、ウェルスナビ<7342.T>が新規上場する。海外では、11月の米中古住宅販売件数、12月の米消費者信頼感指数、7~9月期米GDP確報値など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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