明日の株式相場に向けて=目先上昇一服の有望株に照準 1月13日17時01分
きょう(13日)の東京株式市場はリスク選好の流れが継続し、日経平均株価が292円高の2万8456円と4日続伸となった。
昨年の大納会から年明けの6日まで4営業日連続で下値を探った際には、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした緊急事態宣言発令の思惑や米ジョージア州の上院決選投票で民主党が勝利する可能性などが警戒材料に挙げられていた。しかし過ぎてみれば何のことはない、緊急事態宣言は対象地域が首都圏はもちろん関西や中部にも拡大し、米上院決選投票は2議席とも民主党が押さえトリプルブルーが成立した。注目された材料は当初の見立てとして悪い方にサイが転がったにもかかわらず、日経平均は吹っ切れたように上値追いに転じている。これぞ相場、とは後から言えることだが、基本的に機が熟さなければ少々の悪材料で流れが変わることはない。イベントドリブンで波乱を期待する売り方にすれば、今のマーケットは日米ともに手の打ちようがない強さである。
米国ではトランプ米大統領が任期切れを目前にして、罷免問題が浮上するなど政局不安が取り沙汰されている。しかし、これも今の相場は肥やしにしてしまう。市場では「トランプ氏が暴れていることで、民主党内も急進左派と中道派との間で連帯感を生みひとつにまとまる動きが観測されている」(ネット証券アナリスト)という。これも“怪我の功名”というべきか、良くも悪くもトランプ効果が発現している。
流動性相場はまだ当分続くだろう。ただし、大きなイベントが近く訪れる。来週20日に民主党バイデン米大統領のもとで新政権が立ち上がる。大型の財政出動を伴う追加経済対策などがいよいよ現実化する段階に入ったとなれば、株式市場にとっても強力な追い風として意識されるはずだ。ただし、相場は天邪鬼(あまのじゃく)である。差し当たってバイデン政権発足は上り坂の頂点。こうなると今度は下り坂が意識される可能性がある。「トランプ台風が去った2月相場にリスクあり」という市場関係者は意外に多い。
きょうは、昨日に続き半導体関連株が総花的に上昇している。半導体の国際団体SEMIによると2020年の半導体装置の世界販売額は前年比16%増の689億ドルと2ケタの伸びで過去最高を更新した可能性が高い。つまり、新型コロナが収束しなくても半導体需要は漸次拡大を続けるというコンセンサスが生まれている。21年も連続で過去最高更新が見込まれている。そうしたなか、シンボルストックである東京エレクトロン<8035.T>は4連騰で、きょうは2000円を超える上昇をみせた。同社株は直近4営業日で7500億円近く時価総額を増やした。マザーズで時価総額断トツのメルカリ<4385.T>の時価総額が9100億円台。マザーズ2位のフリー<4478.T>の時価総額が4600億円台であるから、その株高効果の大きさを計り知ることができる。
中小型株に目を向けると半導体関連の中では比較的出遅れていた特殊ガス大手の関東電化工業<4047.T>が、きょうで5連騰と戻り足を強めてきた。とはいえ、1年前の水準からみればまだ5合目あたりで上値余地は十分。目先押し目があればそこは拾い場となりそうだ。また、電子部品組み立て装置や工作機械などで高い技術力を持ち、今期複数回にわたって業績予想を増額しているFUJI<6134.T>の上昇一服場面も狙える。
このほか目先上昇一服となっている銘柄で有望株を探すと、独立系のソフト受託開発会社で足もとの業績回復色が鮮明となっている東海ソフト<4430.T>、鉄鋼や化学を中心とする総合プラント企業で5Gなどの成長分野に傾注する高田工業所<1966.T>、ペンタブレット世界トップシェアでオンライン教育の普及が追い風となるワコム<6727.T>などが狙い目となる。
あすのスケジュールでは、12月の企業物価指数、12月のオフィス空室率、11月の機械受注統計、1月の日銀地域経済報告など。海外では12月の中国貿易統計や12月の米輸出入物価指数などに注目度が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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