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国内株式市場見通し:一進一退か、循環物色進めば高値圏での強気ムードは続こう  1月16日14時35分

■日経平均は一時29000円を窺う

今週の日経平均は、上値追いの展開が続いた。週明け12日は、トランプ米大統領の弾劾訴追など政局混乱への懸念のほか、それまでの急ピッチでの上昇から利益確定売りも出て、日経平均は一時28000円を割り込む場面があった。ただ、上昇相場に乗り遅れていた投資家による押し目買いが入ったほか、出遅れバリュー(割安)株への物色も支えとなり、結局28000円を即座に回復する展開に。13-14日かけては、米国でのバイデン次期政権下での大規模財政政策への期待に支えられながら、工作機械受注などの好調な経済指標のほか、自動車生産の縮小が迫られるほどの需給ひっ迫から業容拡大が思惑視された半導体を中心とした値がさの機械・半導体株が指数のけん引役となった。加えて、米長期金利の上昇一服感が安心感を誘った面もあったようだ。個別では、市場予想を上回る水準に業績予想が上方修正された安川電機<6506>のほか、ファナック<6954>などのFA関連株、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>といった半導体関連株の大幅高が際立った。14日については、その晩のウェブ会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を見極めたい思惑などもあって、レーザーテック<6920>が一時11%下落するなど前場好調だった半導体株が後場に急失速する場面もみられたが、金融緩和の出口戦略を協議するのは時期尚早との考えを改めて強調したパウエル氏の発言から14日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が過去最高値を連日更新すると、翌15日の東京市場では改めて半導体株が大幅高となった。週間を通じて値がさ株に支えられた日経平均は、14日に28979.53円と一時29000円を窺う位置にまで急伸した後の週末15日には、さすがに利益確定売りに押されてじり下げ基調とはなったが、結局28500円はキープして終え、踏ん張りをみせた。週足では大きな陽線を3本連続で引いた。

■大勢は強気保持、米大統領就任式は節目となるのか

来週の日経平均は一進一退の展開が予想される。年明け以降、高値更新が続いてきた日経平均は、1月だけで昨年末比2000円超高と急ピッチでの上昇が続いている。14日には一時節目の29000円にまで迫る急伸を見せているだけにあって反動安を警戒している向きもあるだろう。しかし、急伸した14日こそ先物の売買高も膨らんだが、市場では、「出遅れ感を意識した海外機関投資家からの現物買いが急速に増えている」といった声も聞かれるように、大勢は現物株主導の相場展開が続いている。先物と違って期限のない現物株をすぐに売るとは考えにくく、下げた場合でも全体は底堅く推移しそうだ。そのほか、「売りものが少ない分、小規模の買いでも値幅が出やすく、売買動向に過熱感があるわけではない」といった指摘も聞かれており、指数から感じられるほどには全体に過熱感があるわけではないようだ。こうした中、20日には米国で大統領就任式が行われる。先日は、暴徒が連邦議会に襲撃するなど過激な動きがみられており、20日も厳重な警戒が敷かれるとはいえ、こうした暴動による政局混乱が警戒される。足元のマーケットはこうした政治動向には見向きもしていないようだが、ほぼ一本調子で上昇してきている指数が、こうした目に見えるイベントを一つのきっかけに一時的な調整を挟む可能性もあるだろう。ただし、大勢は大規模金融緩和による過剰流動性相場が株高を演出する構図に変化はなく、14日のパウエルFRB議長による「緩和政策の出口議論は時期尚早」との発言がこれを強化した面もある。また、買い遅れた投資家も依然として多いようすで、下げたところではこれらの投資家による押し目買いが下支えしよう。日米での主要企業の決算発表が1月後半から控えていることもあり様子ムードが台頭しやすいだろうが、決算発表一巡後には再度上値追いの展開となる可能性にも期待したい。一方、米国市場では、電気自動車大手のテスラモーターズが「合理的なバブル」という言葉では正当化できないほどに上昇し続けており、給付金で潤った知識の浅い多数の個人投資家がこうした「一部の」バブルを創出している点はやや気掛かりだ。個人投資家の人気銘柄筆頭であるテスラ株が何らかのきっかけで下落した時の個人投資家のパニック売りの波及など、FRBによる金融緩和政策の出口議論とは別のきっかけが株式相場の調整につながるテールリスクなども意識する必要は常にありそうだ。しかし、基本的に今は過度な悲観に傾くよりは強気で臨む局面と捉えていくべきだろう。そのほか、20日からは日銀金融政策決定会合、21日には欧州中央銀行(ECB)定例理事会が予定されている。黒田日銀総裁やラガルド総裁からの発言も注目で、緩和的な内容であれば株高相場の足固めにつながろう。

■ハイテク株は押し目買い、出遅れバリュー株にも注目

半導体受託製造で世界最大手の台湾TSMCが14日に発表した20年10-12月業績は、売上高および純利益ともに四半期として過去最高となった。これを受けて同日の米国市場ではアプライドマテリアルズやラムリサーチなどの半導体株が大幅に上昇し、翌15日の東京市場でも同様の動きがみられた。5G基地局からデータセンター、最先端PCやスマホのほか電気自動車(EV)の普及などで半導体の活躍場は広がっており、世界的に自動車生産の縮小が余儀なくされるほどだ。こうした構造的な長期成長背景に加えて需給ひっ迫という短期的な要因も相まって、半導体業界は「スーパーサイクル」入りが今まで以上に濃厚となった。「グローバルな投資家が、世界の半導体株をまとめて買い上げる動きが出ている」という声も聞かれるように、半導体株の強い基調は続きそうだ。そのため、全体に連れ安して一時的に下げるような場面では押し目買いが有効となろう。一方、東京市場では、自動車生産の縮小報道を受けて輸送用機器のほか鉄鋼などの関連セクターはやや軟調に推移している。足元の株高演出の主役であるハイテク株だけでなく、こうしたセクターや出遅れバリュー株にも改めて買いが入って循環物色が進めば、相場の底上げにつながり、日経平均は更なる株高局面へと向かっていくことになるだろう。

■日欧の中央銀行政策決定会合、12中国鉱工業生産

来週の主な国内スケジュールは、18日に11月鉱工業生産(確報)、20日に日銀金融政策決定会合(21日まで)、21日に黒田日銀総裁会見、12月貿易収支、22日に12月全国消費者物価指数などが予定されている。一方、海外では、18日に中国10-12月期 GDP、中国12月鉱工業生産、中国12月小売売上高、20日に米大統領選就任式、米1月NAHB住宅市場指数、21日に欧ECB定例理事会、米12月住宅着工件数、米1月フィラデルフィア連銀景況指数、22日に米12月中古住宅販売などが予定されている。




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