NYの視点:ECB、若干タカ派に傾斜か、ウイルスや低インフレが依然リスク 1月22日08時01分
欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で市場の予想通り政策金利据え置きやパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)規模を1.85兆ユーロで維持することを決定した。また、「金利は現行、またはそれ以下で維持」とのフォワードガイダンスも維持。12月に追加緩和パッケージを発表後、今後はパンデミックの状況などを睨み、必要とあれば全政策措置を修正する準備があるとの方針を表明した。同時に、もし、金融状況が維持できれば、パンデミック緊急購入の全額使う必要はないとした。同時に、もし、インフレにマイナスのパンデミックショックに対処するために金融状況に必要とあれば購入枠を再開することもできると加えた。
理事会後の会見で、ラガルド総裁はPEPPに関しては12月会合で規模拡大や期間延長などを決定しており、少なくとも2022年3月まで、または、コロナウイルス危機終息まで中銀の支援があることを市場は認識することが重要と訴えた。また、状況に応じた柔軟な方針を強調した。
経済に関して、総裁は第4四半期の経済が縮小したとし、「大規模金融緩和が不可欠」とした。ただ、ほぼ予想に一致した展開だと指摘。見通しリスクは依然下方に傾斜しているが、「深刻さが軽減した」としたほか、ワクチン普及への期待、製造業の改善を指摘。、英国と欧州連合(EU)が離脱を巡る通商協定合意でリスクが減ったことでリスクも一つ減った。また、欧州復興基金が実施に向け前進したことも見通しのプラス材料として挙げており、危機的状況からはいったん脱したと考えている可能性がある。加えて、声明でのパンデミック緊急購入金額を全額使う必要はないとの言及も若干タカ派寄りととらえられている。
欧州最大経済のドイツなどでも新型コロナウイルス感染が急拡大しており、欧州連合(EU)指導者はロックダウン措置の強化が必要な可能性との点で一致したと報じられている。再び、景気が予想以上に落ち込むかどうかに注目される。
●ラガルドECB総裁が指摘した見通しプラス・マイナス材料
〇プラス材料
ワクチンの普及
英国と欧州連合(EU)が離脱を巡る通商協定で合意
欧州復興基金が実施に向け前進
製造業の回復
米国政府の不透明性が払しょく
〇マイナス材料
ウイルス変異種拡大
低インフレ
国内の物価が引き続き抑制
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