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米長期金利の一服感から買い戻しもなお慎重、インフレ懸念はくすぶる  3月01日12時18分

[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;29621.26;+655.25TOPIX;1896.31;+31.82


[後場の投資戦略]

 前週、相場の波乱要因となっていた米長期金利は、週後半には一時1.6%台を付けるなど上昇ペースの速さへの警戒感から、株式市場の急落を招いていたが、それも週末には1.4%台にまで低下したことで、市場は、一旦は落ち着きを取り戻したようだ。本日は、前週に下落のきつかったハイテク株を中心に大きく反発している。日経平均の上げ幅も一時700円超となり、チャートでは前週末に割り込んだ25日移動平均線を回復してきている。ただ、下向きに転じた5日線をまだ上回れていないことから、まだ楽観ムードに戻ったわけでもないだろう。大きく反発している銘柄でも、前週末の下落分を完全に取り戻しているものは少なく、買い戻しの動きにもまだ慎重な様子が窺える。

 株式市場の将来のボラティリティー(変動率)を表し、「恐怖指数」とも呼ばれる米VIX指数も前週末時点で27.95ptと、依然として警戒水準の20ptを大きく上回っており、危険水準とされる30ptからもやや低下したにすぎず、警戒感がくすぶっていることが窺える。また、米国の債券市場版のVIX指数とも呼ばれるMOVE指数にいたっては上昇基調が続いており、前週末は75.66ptと、2月半ばの40pt台から急騰した後は高水準の状態が続いている。

 米国では、前週末にバイデン政権が掲げる1.9兆ドル規模の追加経済対策が下院で可決された。上院では法案の一部修正が求められるとの見立てもあるが、3月中旬までに可決される見通し。そうした中、足元の米長期金利急騰の背景にあるのはインフレ加速懸念だ。今回の大規模な追加経済対策は現状の米国GDPギャップに対して過大で、過度なインフレに繋がりかねないとも指摘されている。労働市場の回復を優先するバイデン政権が、今回のこの追加経済対策の成立後、再生可能エネルギー関連施設や老朽化設備の更新などを含んだ大規模なインフラ政策など、更なる経済政策に取り掛かるとなれば、一層のインフレ懸念にも繋がりかねない。長期金利の行く末を占うインフレに対する影響力という観点から、米政権の動向には引き続き注視したい。

 さて、今週はその重要なインフレや金利の動向に影響を与えかねない重要な経済指標が多く発表される。週末の米雇用統計も注目だが、まず、今夜の米国市場では2月の米国ISM製造業景況指数が発表される。本来、市場予想以上の数値は良いものと解釈されるが、景気過熱に伴うインフレが警戒されている現状を踏まえれば、今回は市場予想よりも強い数値が出た場合、かえってインフレ懸念を強めてしまい、相場のかく乱要因となりかねないため警戒が必要だ。そのため、景気指標の結果とそれを受けた今夜の米株市場の動向を見極めたいとする様子見ムードも強まりやすく、買い戻しがすでに一巡した後にあたる後場は全体的にこう着感の強い動きとなりそうだ。


<AK>

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