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市場は落ち着くも「懸念」の解は見えず  3月02日12時30分

[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;29554.75;-108.75TOPIX;1893.41;-9.07


[後場の投資戦略]

 日経平均は前日の米株高を手掛かりに続伸スタートとなったが、節目の3万円に届くことなく失速する格好となった。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は23.35(-4.60)に低下、同様に債券版のMOVE指数も低下し、金融市場はひとまず落ち着きを取り戻したかに見えた。朝方には日経平均の3万円台回復を予想する声も多かったが、「押し目は買いたいが上値追いには慎重」なムードが思いのほか強いのかもしれない。アジア市場でもやはり香港株や上海株は買いが先行したものの、上値の重さが拭えない。

 前日は日経平均が700円近い上昇となったが、気になる点はあちこちに見られた。まず、日経平均は2月26日の下落分(1202.26円安)の半値戻し水準で上値が重くなり、東証1部の売買代金は2兆4773億円とやや低調だった。値幅の割に様子見ムードが強かったことが窺える。また、この日の先物手口を見ると、野村證券やモルガン・スタンレーMUFG証券が日経平均先物の買い越し上位、みずほ証券やJPモルガン証券が東証株価指数(TOPIX)先物の買い越し上位に浮上する一方、ゴールドマン・サックス証券がTOPIX先物を売り越していた。海外勢を中心とする機関投資家も買い戻しで歩調が合っていたわけではないようだ。

 米国では2月のISM製造業景況指数が市場予想を上回る水準となったが、今週は3日にADP雇用統計とISM非製造業景況指数、5日に雇用統計と重要な経済指標の発表が多く控えている。とりわけ、金融政策のかじ取りが難しくなってきただけに、雇用関連統計の内容を見極めたいという思惑は強まるだろう。

 また、先週末の当欄で触れた「マネーの変調」こそ回避できそうな情勢だが、「未来図」に関する懸念に明確な解が示されたようには思われない。需要の不足分を大幅に上回る米経済対策とそれによる政府債務の増大、主要中央銀行による過去に例のない規模の金融緩和…これらが行き着く先として先週来浮上している「インフレ加速」などといった懸念はいまだくすぶるのだろう。

 本日は日経平均の失速とともにマイナス転換したが、ファーストリテは朝方に取引時間中の上場来高値を更新。「ユニクロ」「GU(ジーユー)」ブランドで良質・安価な衣料を提供する同社の経済圏は拡大、躍進が続く。他方、百貨店各社の2月売上高を見ると高額品の底堅さが窺え、百貨店株も戻り歩調を崩していない。

 ファーストリテ株の躍進には、資産インフレが加速しても一般消費者の節約志向は変わらないという市場の見方が透ける。また、米国の大規模な財政・金融政策を受けて、株高の一因として「マネーの減価」が改めて意識されているのではないかとも思う。長くなってきたのでこのあたりの話はまた次回以降としたい。
(小林大純)


<AK>

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