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明日の株式相場に向けて=個別テーマで攻める「AI・5G・アンモニア」  3月02日17時00分

 きょう(2日)の東京株式市場は、日経平均株価が255円安の2万9408円と反落。3月相場は出足こそ急速な切り返しで幕を開けたが、残念ながらその勢いを持続できなかった。前日の欧米株高を受け、寄り付き好スタートを切ったものの、その直後から変調で漸次水準を切り下げる展開。日経平均は取引開始3分後に2万9996円をつけ、3万円大台にあと一歩どころか、あとつま先ひとつまで詰め寄ったが、そこがきょうの高値となった。

 依然として米長期金利上昇に対する警戒感が強い。直近、10年債利回りが1カ月弱で0.5%上昇し(1月末~2月25日)、フシ目とみられた1.5%を突破した。これはほぼ実質金利の上昇が反映された形で、FRBの超金融緩和政策の終了時期が近いことを市場が織り込み始めた。パウエルFRB議長が色を成してこれを否定しても、マーケットはそれを信じないという状況に陥ったことが、今回の米国株ひいては日本株の波乱安の引き金となった。「オオカミが来るぞ」と脅かしても実際にオオカミは来ない状況がこれまで何度も繰り返されてきたが、どこかで「本当にオオカミが来るのでは」という不安を常に投資家サイドは抱いている。しかし“懐疑の中で相場は育つ”という。少なくとも現状は楽観がマーケットを支配している状況には程遠い。4月新年度を前にして、それなりに説得力ある後講釈がつきやすい不安定な地合いに買い向かうことで、結果的に“不安の代償”としてキャピタルゲインを確保できる公算は大きい。

 個別株戦略の視点では、3月期末に向けファンド筋など国内外機関投資家の利益確定の時間帯に移行するほか、持ち合い解消の動きも加わる。法人筋が買いポジションを多く持つ主力どころの銘柄、古い言い方をすれば国際優良株に該当する銘柄群には風向きが悪いのは事実。ただ、こういう時に消去法的な買いが集中して思いのほか上値を出してくる銘柄もある。基本はテーマ物色の流れに乗る中小型の好需給銘柄に照準を合わせておきたい。

 前日紹介したダイハツディーゼル<6023.T>のように静かに上値を慕う銘柄は、足もとの業績を見てしまうと手が出しにくいが、元来手の出しにくい銘柄というのは安値で事前に溜め込むような動きもなく、株式需給面に軽さがある。脱炭素のテーマに乗る点もポイントだ。日足チャートでみると、好業績でもないのにこんなに上がったところは“買う気が起きない”というのが投資家心理だが、週足でここ3~4年のチャートを眺めると、中長期視点で拾ってみてもいいという気にさせる。打診買いを入れ、押し目があればまた買っておくという手法。業績悪化でも配当がしっかりしている点、PBRが0.3倍台である点からスロー投資に耐え得るが、そういう銘柄に限って短期で値幅を出すケースも多い。

 人工知能(AI)関連では、これまた地味な値運びだがホットリンク<3680.T>が強い動きで注目してみたい。ビッグデータやAI周辺をなりわいとしている銘柄で株価3ケタ台というのは魅力的な要素がある。将来的にはテンバガーの夢もゼロではない。最近、動意をみせた銘柄ではサイオス<3744.T>などもこの範疇に属する。FRONTEO<2158.T>やカナミックネットワーク<3939.T>、エコモット<3987.T>なども1000円未満のAI関連だ。

 このほか、5G周辺の高田工業所<1966.T>は純粋に割安感が強い。21年3月期の最終利益は上振れ濃厚とみた場合、現時点でのPER4倍台をどう評価するかということになる。SiCウエハーやセラミックス基板などを高速・高品質に切断可能な超音波カッティング装置の成長性にも期待がかかる。2019年12月~2020年1月にかけて大相場を形成、上値ではその時の残玉が意識されるとはいえ、4ケタ近辺までの滞留出来高は薄い。5G関連では、プレス機製造の北川精機<6327.T>の動きもマークしておきたい。

 最後に今話題のアンモニア関連。中外炉工業<1964.T>がシンボルストック的な位置にいるが、荏原実業<6328.T>などにも断続的な資金の流入が観測される。前日取り上げた木村化工機<6378.T>は足もと今一つの動きではあるが、25日移動平均線近辺での押し目買い狙い。また、伊藤忠商事<8001.T>との共同事業を手掛ける東洋エンジニアリング<6330.T>の上値指向が強く注目に値する。

 あすのスケジュールでは、3月の日銀当座預金増減要因見込みなど。海外では、2月の財新中国非製造業PMI、2月の米ADP雇用報告、2月の米ISM非製造業景況感指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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