株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

日経平均は3日続伸、需給要因の改善で上値も軽くなってきたか!?  3月29日12時17分

 日経平均は3日続伸。307.87円高の29484.57円(出来高概算7億7851万株)で前場の取引を終えている。

 前週末の米国株式市場ではNYダウは大幅続伸。バイデン大統領がワクチン接種目標を従来の2倍に引き上げたほか、3月ミシガン大学消費者信頼感指数がパンデミック前の水準に戻ったため、強い回復期待が広がり寄り付きから上昇。また、米国10年物国債利回りがやや上昇していたがハイテク株も堅調推移となった。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)にいたっては4.9%と大幅高であった。この流れを好感した日経平均は前週末比301.42円高の29478.12円でスタートすると高いところで29514.22円まで上値を伸ばした。買い一巡後にやや失速する場面もあったが、前引けにかけて再度上げ幅を拡げる動きとなった。

 個別では、前週末のSOX指数の急伸劇を背景に東京エレクトロン<8035>やレーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>などの半導体関連が大幅高となっている。東京エレクトロンについては、27日付けの日本経済新聞朝刊に掲載されている河合社長へのインタビュー記事も刺激材料になっているようだ。また、今期の営業損益の赤字幅が市場予想よりも小幅にとどまることからアク抜け感が強まった小田急<9007>が高く、業績の上方修正が材料視されたホクシン<7897>と山田コンサル<4792>は大きく買われている。そのほか、売買代金上位では、ファーストリテ<9983>、トヨタ<7203>、ソニー<6758>、キーエンス<6861>、OLC<4661>などが高い。

 一方、米国子会社において、米国顧客との取引に起因して多額の損害が生じる可能性のある事象が発生したと発表した野村HD<8604>が急落している。また、業績の下方修正が発表された東京ベース<3415>も大幅に下落している。そのほか、売買代金上位では、ソフトバンクG<9984>、三菱UFJ<8306>、武田薬<4502>、マネックスG<8698>などが下落となっている。

 セクターでは、サービス業、電気機器、ゴム製品、小売業、鉄鋼などが上昇率上位に並んだ。一方、証券・商品先物取引業、海運業、空運業、その他金融業、パルプ・紙などが下落率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の57%、対して値下がり銘柄は39%となっている。

 週明けの日経平均はまずまずのスタート。前週は75日移動平均線がしっかりサポートとして意識される形で週末にかけて戻り基調となった。前週末の米株高の流れを引き継いだ本日も流れに乗って25日線を捉えてきている。買い一巡後には一旦失速し同線を割り込む場面も見られたが、前引けにかけて再び同水準を大きく上回る動きとなった。2月16日および3月18日と高値を切り下げてきているだけに、テクニカル的にはここが正念場となりそうだ。

 上述したように、複数の好材料を背景に東京エレクトロンなどの半導体製造装置関連が賑わっている。半導体については、次世代通信規格「5G」や電気自動車(EV)
など旺盛な需要を背景に足元の実体が伴っていることや、シクリカル(景気循環)な性格を併せ持っているということもあるが、つい先日まで米長期金利の動向が警戒されていたことを考慮すればしっかりとした動きと評価できよう。

 その警戒されていた米長期金利も、前週から1.6%台での落ち着いた動きが見られていることに加えて、上場投資信託(ETF)の買い入れ対象を東証株価指数(TOPIX)型のみに絞るとした日銀の政策修正に対する動揺なども既に大分和らいでいるようだ。
そのほか、年度末に伴う機関投資家によるリバランス売りが一巡してきたことも好影響を与えていると考えられる。

 さらに、本日は配当・株主優待の権利付き最終売買日であり、権利取りを狙った売買が相場を下支えしている面もあろう。反対に、明日は配当落ちでマイナス要因にはなるが、一方で、指数連動のパフォーマンスを目指すインデックスファンドによる配当金投資に伴う先物買いが本日の大引けと明日の寄り付きにおいて発生する見込みだ。日経平均型やTOPIX型のほかMSCI指数型なども含めると1兆円程にもなるという予想もあり、目先の相場を下支えしそうだ。

 こうした要因から、この先も堅調な地合いが続きそうだが、新年度相場となる4月に入るまではニューマネーの流入も期待しにくく、目先は堅調ながらもやや上値は重いか。また、対照的な見方にはなるが、近年では、新年度入り直後に機関投資家の益出し売りが集まりやすくなっているとの指摘も聞かれ、昨年からの日経平均が大幅上昇していることから、警戒感が強まりそうだとの声も聞かれている。こうした点も考慮すると、4月入り早々に新規買いは想定しづらく、小売業など内需系企業の決算が本格化し始める4月第2週あたりからが転換局面となりそうか。

 なお、前週末26日にはマージンコールに伴う要請に応えられなかったヘッジファンドが、百度(バイドゥ)などの中国ハイテク企業や米国メディア大手の株式ロングポジションを強制的にクローズさせられたとのニュースが市場でちょっとした話題になっていた。ちなみに、マージンコールとは、口座の資金額がポジションを保有し続けるために必要な最低金額を下回っていることを金融機関が投資家に知らせる緊急時の対応のことである。

 また、上述した、米国顧客との取引に起因した多額の損害に関する野村HDの報道なども同タイミングで出てきた。憶測に過ぎないが、万が一、米テスラなどテクノロジー株に集中投資し、個人投資家からの人気も高いキャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストメントファンドなどにも同様の動きが連鎖的に波及するといったことがあると、マーケットへのインパクトも甚大となる可能性がある。今のところは問題ないが、テールリスクとして留意しておきたい。


<AK>

 Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »