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短期下値めど達成の買い戻しに過ぎない?  5月14日12時33分

[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;27940.90;+492.89TOPIX;1877.84;+28.80


[後場の投資戦略]

 米PPIの上振れはCPIに比べればサプライズがなく、日米株とも反動高の展開となった。すわ「インフレ率上昇は一時的だ」と再強調する向きも多い印象だが、果たして市場参加者はそうみているのだろうか。

 前日の当欄で指摘したとおり、海外勢は日経平均の目先の下値めどを昨年末終値水準である27400円とし、株価指数先物・オプションのポジションを構築していたとされる。ただ、日経平均は急ピッチの下落で前日の引けにかけて27400円割れを達成した。
これにより海外短期勢が早々に買い戻しを入れ、本日の反発につながっている可能性はある。

 実際、前日の先門手口を見るとシティグループ証券やゴールドマン・サックス証券の日経平均先物の売り越しが大きかったとはいえ、その他外資系証券はさほど売りに傾いていなかった。全体の売買高はまずまず膨らんだことから、買い戻しが入っていたことを窺わせる。そもそも日経平均は前日までの3日続落で2000円以上下落しており、本日500円近く上昇していると言えど自律反発の域を出ないだろう。

 また、PPIもCPI同様に上昇圧力がかかっていることには変わりない。政策当局者らが「一時的」と繰り返す一方、独アリアンツの首席経済アドバイザーであるモハメド・エラリアン氏の「連邦準備理事会(FRB)が従来の物価への評価にこだわり続けると、政策の失敗や市場の動揺を招く恐れがある」、また著名投資家スタン・ドラッケンミラー氏の「米金融政策は過激で不適切」といった警鐘は重く感じられる。

 日本でも日銀の動向に注目が集まっている。日経平均が3日間で2000円以上の急落を強いられるなか、結局日銀は上場投資信託(ETF)買い入れを実施しなかった。黒田東彦総裁は前日の参院財政金融委員会で、「数日間で株価がどれだけ下がったなど、機械的なルールで行っているわけではない」と述べた。

 一方、市場に不測の影響を与えるとして具体的な買い入れ方針は言及を避けたという。実際の買い入れ実績は4月に1度(21日に701億円)のみ、5月に至ってはここまでゼロとなっており、消極姿勢に転じたと受け止められても致し方ないだろう。

 それに、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が27日予定している指数構成銘柄の見直しで、日本株は新規採用ゼロ、除外29銘柄となった。市場では「日本株の存在感が後退」などといった声が出ているが、これにより日本株全体で7000億円近い資金流出が見込まれており、需給的にマイナスであろうことは間違いない。

 さて、本日は1000社前後が決算発表を予定しており、米国では引き続き4月小売売上高など重要な経済指標の発表が控えている。後場の取引では買い戻しの動きが続くかもしれないが、なかなか買い持ちにまでは傾きづらいところだろう。
(小林大純)


<AK>

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