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Iスペース Research Memo(6):2021年9月期下期以降はインターネット広告事業も増収基調に転じる見通し  6月07日15時06分

■今後の見通し

1. 2021年9月期の業績見通し
インタースペース<2122>の2021年9月期の連結業績見通しは、売上高で前期比6.8%減の23,200百万円、営業利益で同0.5%減の450百万円、経常利益で同7.2%増の520百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同31.4%増の340百万円と、それぞれ期初計画を下方修正した。メディア運営事業や海外事業は好調に推移しているものの、コロナ禍の影響が長引くなか、国内インターネット広告事業の売上高が当初の計画を下回る見込みとなったことが要因だ。

営業利益はインターネット広告事業の減益をメディア運営事業の増益や固定費の削減効果でカバーして、ほぼ前期並みの水準を維持する見通し。また、営業外収支の改善により経常利益ベースでは2期ぶりの増益に転じる見通しだ。親会社株主に帰属する当期純利益についても、ストアフロントの収益が黒字化するなど、前期損失を計上した子会社の損益が総じて改善することで実効税率が低下し、2ケタ増益となる。

2020年9月期以降、特定の大型プロモーション案件の縮小に加えて、2020年9月期下期以降はコロナ禍の影響もあり、業績は減収減益が続いてきたが、大型プロモーション案件のマイナス影響は2021年9月期上期でほぼ一巡しており、下期以降は売上高、営業利益ともに増収増益路線に回復する見通しだ。ただ、コロナ禍の影響が長引き、企業の広告出稿意欲が冷え込む状態が続けば、アフィリエイトサービスの売上も低迷するリスクがある。

(1) インターネット広告事業
インターネット広告事業の業績は、売上高で前期比9%減の215億円、事業利益で9億円強と2ケタ減益となるが、下期だけで見ると増収増益に転じる見通しとなっている。国内のアフィリエイト広告については、金融分野が証券を中心に安定して推移するほか、eコマース分野が第3四半期以降、緩やかながらも上向く見通しとなっている。一方、サービス分野では、例年需要期に入る美容・エステ関連の低迷が続く一方で、新規案件となる格安スマホ関連の売上貢献を見込んでいる。運用の開始時期が若干遅れている模様だが、今後の動向が注目される。

一方、ストアフロントについては売上高が前期比4割増の26億円と大幅増収となり、営業利益も数千万円程度の黒字転換(前期は1億円の損失)を見込んでいる。引き続き、継続課金型商材となるスマートフォン向け情報セキュリティ商品の契約件数増加を見込んでいる。

海外事業についても、ベトナム、マレーシア、シンガポール等の好調が続く見通しだ。いくつかの地域では、まだ大型の案件に依存している部分があり、新規カテゴリーや広告主の開拓が課題となっている。

(2) メディア運営事業
メディア運営事業の売上高は前期比5割増の24億円と大幅増収となる見通し。事業利益も3.1億円(前期は0.7億円の損失)と黒字転換を見込んでいる。主力の「ママスタ」は大手ポータルサイト等への記事配信などによるPV数の拡大が続いており、下期以降も増収基調が続く見通し。また、女性向け情報メディア「4MEEE」「4yuuu!」なども順調にPVが伸びている。

比較・検討型メディアのうち、「塾シル」については掲載教室数で1万教室を当面の目標としている。「ママスタ」との連携効果もあって訪問者数も着実に増加している。一方で、業界第2位の掲載教室数になったとは言え、業界トップの「塾ナビ」(同8.7万件)との差は依然大きい。「塾シル」の特徴は、保護者や生徒が知りたい情報が充実している点にある。資料請求、体験授業、電話と3つの問い合わせのなかでも体験授業申し込みや電話の問い合わせ件数が多く、結果的に送客に対する入塾率の割合が35~50%と他社サイトに比べて格段に高い点が強みと言える。業界トップとの差はまだ大きいものの、学習塾側から見た費用対効果が高いことが認知されれば、掲載教室数も大きく伸びていく可能性が高く、今後の動向が注目される。

比較・検討型メディアに関しては、今後も定期的にリリースする予定となっており、新規開発投資については前期の252百万円に対して200百万円程度を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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