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明日の株式相場に向けて=コロナ変異株と「月末安」ラプソディー  6月30日17時00分

 30日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比21円安の2万8791円と3日続落。後場は前日終値をはさんだ狭いゾーンで売り買いを交錯させていたが、結局小幅マイナス圏で着地した。きょうは名実ともに6月相場の最終商い日で、市場関係者ならもはや誰もが気にかけている「月末安」アノマリーにあたる日だ。日経平均が月末に安く引けるパターンが今月(6月)でついに10カ月連続となった。

 AIに言わせれば「だから何?」ということになるのであろうが、偶然にしてもこれだけ続くと、今月も月末は安くなりそうなので事前にポジションを軽くしておこう、という気持ちにさせられるのが人間心理というものだ。ということで前日(29日)は前倒し的に売りが出て日経平均は230円あまりの下げとなった。個別にみても東証1部に上場する8割近い銘柄が株価水準を切り下げており、単なる先物を絡めた日経225ピンポイント爆撃的な下げではなかったことが分かる。なお、今年は月末の1日前の日経平均がどうであったかを遡ると1月を除き高い。つまり2月から5月まで4カ月連続で「月末イブは株高」であった。そして今回は5カ月ぶりに前倒しで株安となったことから、売り物が枯れた分、アノマリー破りが期待されたのだが、結局土俵際の攻防でマイナス圏に押し出された。

 早くから日経平均2万9000円近辺の戻り売り圧力が意識されていたとはいえ、これほどこのラインが鉄の扉のように重いというのはやや想定外。遅かれ早かれ株価は上下どちらかに放れることは間違いないのだが、依然として上か下かがはっきりしない。そもそも、今は経済正常化の道筋がはっきり見えてくることがプラスなのか、それともコロナ禍の社会環境が継続して財政・金融両面からの大盤振る舞いを続けてもらった方がマーケットにとって心地よいのか、それすらもはっきりしていない。玉虫色の空間に浮遊するような状況に置かれている。

 全体指数をフリーズさせている理由は、新型コロナウイルスが原因であることは否定しにくくなった。ワクチンが普及局面に入ればコロナ収束は時間の問題としてリアル消費関連株を買い漁ったが、猖獗(しょうけつ)を極める変異株いわゆる「デルタ株」の感染拡大が先行き懸念を膨らませ、米株市場で最高値街道を走るナスダック総合指数が象徴するように、再び景気敏感株からハイテク株への資金還流を誘発する形となっている。

 新型コロナ収束が一筋縄でいかないと思わせるのは、強力な変異株が相次いでいることによる。当初英国で発見された変異株をギリシャ文字に置き換えてアルファ株としたが、その後ベータ、ガンマ、デルタと次々と仲間を増やし、インド型のデルタ株は従来型コロナと比較して感染力が約2倍というから厄介である。更に、現在は変異株として11番目の「ラムダ株」まで発見されていて、このペルー型であるラムダ株が最強ともいわれている。今のスピードで変異株が増えると、24番目の最後に控える「オメガ」までそう時間はかからず、ギリシャ文字の次は何を使うかなどという冗談にもならない状況に陥る可能性がある。

 何よりも気になるのは東京五輪である。市場関係者の話では「不謹慎だが、世界中の変異株を日本に輸入することにもなりかねない。変異株オリンピックとならないように、どうするかを本気で知恵を絞って考えなければならない段階に入った。責任の所在をたらい回しすることに腐心している場合ではない」(ネット証券大手マーケットアナリスト)という。また、同氏いわく「東京五輪がもし中止となれば日本株は暴落するという意見があったが、むしろ逆だったのかもしれない」とする。ここまでくれば東京五輪の成功を祈るよりないが、ワクチンの普及率とコロナ変異株の動向を横にらみに神経質な相場展開が続く。

 個別株戦略も中長期投資と決めている銘柄は別勘定として、基本は中小型株の機動的売買で対処する。資金の回転も速くなっており、深追いをせず、下がったらロスカットをいとわず捲土重来を期すというスタンス。参考までにバイオ関連ではそーせいグループ<4565.T>が強いチャート。急騰後に中段でもみ合うウイルテック<7087.T>、半導体関連の中小型株ではアドテック プラズマ テクノロジー<6668.T>などをマークしたい。

 あすのスケジュールでは、6月の日銀短観、6月の新車販売台数、10年物国債の入札など。海外では、6月の財新中国製造業PMI、5月のユーロ圏失業率、6月の米ISM製造業景況益共感指数など。なお、香港市場は休場となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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