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テノックス Research Memo(5):定量的には厳しかったが、定性的には一定の成果  7月05日15時25分

■新中期経営計画

1. 前中期経営計画の振り返り
テノックス<1905>は2020年に創立50周年を迎えた。その50周年を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画は、東京オリンピック・パラリンピック後の受注環境変化や米中貿易摩擦への懸念のなかでスタートし、新型コロナウイルス感染症の拡大のなかで最終年度を迎えることになった。この間、東北の震災復興工事の終息、高速道路や鉄道の整備関連工事の一段落、新型コロナウイルス感染症拡大など、事業環境の変化に対応しながら中期の戦略目標を着実にこなしていった。結果的に定量目標に到達しなかったが、定性的には、施工管理装置「VCCS」の実用化や施工品質管理士制度の導入など品質面での信頼性の確保、北陸新幹線延伸工事でのガンテツパイル工法の採用、鉄道工事でのさらなる採用へ向けた営業強化、M&Aや業務資本提携の締結など受注力の強化、テノコラム工法でのベトナム公的技術基準(TCCS)の取得による海外事業の橋頭堡づくりなど一定の成果をあげることができた。今後は、前中期経営計画のときのような経営環境の大きな変化に対応できる柔軟性と適応力を高め、「VCCS」の利用の拡大と標準化、ICT施工技術の積極的な導入、M&Aや業務資本提携を生かした業容拡大、ベトナムでの営業展開等々残された課題を解決し、さらなる成長に向かって進んでいくことになる。


基礎工事を通して社会に「安全」と「安心」を提供する
2. 長期ビジョン
同社は前中期経営計画策定時に、「人間尊重、技術志向、積極一貫」という経営理念をバックボーンに、変化する社会のニーズに適応した技術の革新に積極的に取り組むことで新たな価値と市場を創出し、基礎工事を通して社会に「安全」と「安心」を提供し、全てのステークホルダーが豊かさを実感できるサステナブルな企業を目指すという長期ビジョン(目指すべき企業像)を掲げた。現在もこの長期ビジョンは変わらないが、東京オリンピック・パラリンピック向け工事の一巡や常態化する異常気象など経営環境には変化があり、ニューノーマルといわれる時代の課題も浮き彫りになった。このため、少子高齢化による新設工事需要の減少やインフラ維持・激甚災害対応の工事の増加などを背景に少量多様化する建設ニーズへの「適応力」、働き方改革や生産性向上を目的とする省力化・自動化・デジタル化への「適応力」、そしてコンタクトレス社会への「適応力」が不可欠となってくる。新中期経営計画では、先行き不透明な時代に「適応」することで、新たな50年の礎となる「高付加価値」を追求していくことになる。


長期ビジョンの第2フェーズとなる新中期経営計画
3.新中期経営計画
2021年度から始まる新中期経営計画は、前中期経営計画を引き継ぐ、長期ビジョンの第2フェーズと位置付けられている。スローガンを「進取の気性」とし、高付加価値の創出、社会課題の解決、企業価値向上への取り組みを推進する方針である。そのため、開発戦略、営業・施工戦略、ESG戦略の3つの基本戦略によって、新しい時代の社会や生活様式の変容への「適応力」を高め、サステナビリティ経営を実現していく考えである。開発戦略では基礎工事技術で高付加価値を創出し、営業・施工戦略では施工技術を駆使して国土強靭化に貢献し、ESG戦略では社会課題の解決や企業価値の向上を目指す。これにより、国土のリダンダンシー※整備事業(高速鉄道整備事業及び高速道路整備事業)における基礎工事を確保するとともに、民間建築事業の営業領域を拡大、海外基礎工事事業も本格化する方針である。これにより2024年3月期を最終年度に、前中期経営計画の目標値であった売上高220億円、経常利益15億円、ROE8%に再チャレンジする考えである。

※リダンダンシー(Redundancy):「冗長性」や「余剰」を意味する。国土計画上では、自然災害などによる障害発生時に、一部区間の途絶や一部施設の破壊が全体の機能不全に繋がらないよう、交通ネットワークやライフラインなどインフラをあらかじめ多重化したり、予備の手段を用意したりすること。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)




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