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明日の株式相場に向けて=急反騰の週明け、個別株の勘所  7月12日17時00分

 週明け12日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比628円高の2万8569円と急反発に転じた。欧米株高に救われたとはいえ、東京市場は前週とは大きくその景色を変えた。前週末の波乱含みの下げ局面で、下値メドとして重要ポイントとなっていた5月13日の安値2万7385円を下回らず、首の皮1枚残してリバウンドに転じた意義は大きい。

 前週末時点では、新型コロナウイルスの感染拡大を再び警戒する動きが強く悲観ムードが漂っていた。しかし、投げが一巡すれば相場は戻るのが道理だ。日経平均は前週末の取引で前場に一時700円を超える急落をみせた後、後場から波動が変わった。長い下ヒゲをつけ大引け時点での下げ幅は200円未満にとどまったが、ポイントとなったのは、日銀がETF購入を見送ったにもかかわらず、自然発生的に買いが入りヨーヨーが巻き戻されるように下げ幅を縮小したこと。誰もが後場に日銀が動いたと思ったがそうではなかった。GPIFの買いなどがしばしば観測されてはいるが、それ以外に空売り筋のショートカバーが機能したことは明白だ。

 きょうは、その流れの延長だが上げ幅はことのほか大きなものとなった。5分足などで見ればよく分かるが、先物主導でマドを開け一気に上昇した後に高値圏で横ばいに転じる動きである。メカニカルであまり人間味の感じられない波動とはいえ、急落後の戻り相場ではよく見られるパターンだ。よくも悪くもAI取引の影響が出ており、きょうの急反発を短絡的に投資家の買い意欲が旺盛と判断するのは間違いであるものの、とりあえず足もとのムードは変わったことは確かだ。

 きょうは全面高で時価総額の大きい主力株が輝きを放ったが、ここからは個別株のファンダメンタルズが着目されやすくなる。企業業績は21年3月期に強烈な逆風に晒されたが、既にそこから舞台は回っている。22年3月期は製造業を中心に概ね回復色が強まっており、上方修正を楽しみにする雰囲気が醸成されている。3月決算企業の第1四半期決算はその走りだ。これは個別株にとどまらず全体相場にもポジティブな影響を与える可能性がある。

 個別ではバイオ関連で前臨床試験受託首位である新日本科学<2395.T>。PER11倍に割安感があり、受託件数の増加が続きトップラインの伸びが目立ってきた。地熱発電でも材料性を内包する。新上場区分で最上位の「プライム」への適合通知を受けており、これも追い風となろう。また、6月に複数回取り上げたGCA<2174.T>も「プライム」適合組の1社でここから新値街道を走りそうな気配だ。同社は21年12月期営業利益が前期比2.2倍の38億円と急増する見通しで13年12月期以来の高水準。株価は15年8月に2034円の高値をつけているが、当時の利益水準を上回る見通しにあって、株価が半値近い水準にあるのは見直し余地を示唆している。

 このほか、「セコハン相場」に勢いがある。バイク王&カンパニー<3377.T>はフルスロットル状態が続き、きょうは上ヒゲながら14%高の1085円まで上値を伸ばし、リーマン・ショック前の2008年以来約13年ぶりの高値圏をまい進。PERも依然として割高感に乏しく、空売りで向かうのは相当な怖さがある。日証金では逆日歩がついているが、ここから思わぬ大相場が形成される可能性もゼロではない。同様にアップルインターナショナル<2788.T>もバイク王ほどのスピード感はないがジリジリと新値追い態勢にあり、株価300円台は値ごろ感もあるだけに継続注目。

 これ以外では、電気自動車(EV)向け2次電池のセパレータで材料性を内包し業績も好調が続くニッポン高度紙工業<3891.T>が、75日移動平均線近辺まで調整を入れており買いやすくなっている。また、4ケタ大台絡みに水準を切り上げてきたアジア航測<9233.T>も株価指標面では割安で、信用買い残にも重さがなく継続注目したい。

 あすのスケジュールでは、20年国債の入札、6月の投信概況など。海外では6月の中国貿易統計、6月の米消費者物価指数(CPI)、6月の米財政収支など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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