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ウェーブロックHD Research Memo(3):インテリア事業譲渡により得た資金で、成長事業や新規事業の育成に注力  7月26日15時03分

■会社概要

2. インテリア事業譲渡の経緯と業績への影響について
インテリア事業はウェーブロックホールディングス<7940>が40年以上続けてきた主力事業の1つであり、2021年3月期の売上構成比で31.1%、営業利益で39.6%を占めるなど事業ポートフォリオの中核を占める事業であったため、今回の決定に至った経緯と今後の業績への影響等について簡単に触れておく。

同社は住宅用壁紙メーカーとして40年以上の老舗であり、生産額ベースで業界最大手メーカーであった。一方、サンゲツはブランドベースで業界シェア50~60%のトップ企業であり、2015年の資本業務提携以降、協力関係を一段と強固なものとし、Win-Winの関係を構築してきたが、今回、事業譲渡を決断した背景として市場環境の変化を挙げている。ここ数年、国内の住宅用壁紙業界は成熟化し、人口の減少により今後の成長が見込み難くなってきたことや、海外市場への進出も難しいことから、事業を一段と拡大していくためには垂直統合によって収益力を強化し、市場シェアの拡大を図る必要があるとの認識で双方が一致し協議が進められた。協議の結果サンゲツに事業を譲渡し、同社は譲渡で得た資金によって成長事業への投資や有利子負債の返済等に充当し、既存事業の拡大と新規事業の育成によって、成長を目指していく方針を決定した。

この決定に基づき、インテリア事業を担うWITの株式の51%を、2021年3月にサンゲツに譲渡した。譲渡するにあたって、WITから壁紙関連事業に属さない資産(一関第2工場及び佐倉工場に関する有形固定資産、並びにWITの販売子会社の株式等、2020年12月時点の簿価で約14億円)を、新設分割の方法により設立したウェーブロック・アセットマネジメント(株)(以下、WAM)に承継させ、WAMのすべての株式を同社に移管している。

WIT株式の譲渡額は約24億円となり、2021年3月期第4四半期に売却益2,094百万円を計上した。2022年3月期以降は持分法適用関連会社となるが、WITの残りの株式について同社は一定の条件のもとで、サンゲツに対して買取を請求できる権利(プットオプション)を有しており、また、サンゲツも一定の条件のもとで同社が保有するWIT株式の譲渡を請求できる権利(コールオプション)を有し、いずれすべてのWIT株式がサンゲツに譲渡される見込みとなっている。譲渡価格は今回の1株当たり譲渡価格に1.2を乗じた価格に定められており、概算すると譲渡額は約28億円、売却益は約24億円となる。また、サンゲツがオプション権を行使するまでの期間において、同社はWITから少なくとも294百万円の配当を受領すること、及びオプション権が行使された段階で配当額が294百万円に達していない場合は、税効果考慮後の差額をサンゲツから受領することで合意している。

今回の方針決定によって、一時的に収益水準が落ち込むことになるが、WIT株式の譲渡で約52億円 、配当金で約2.9億円、サンゲツへの固定資産譲渡で約7億円(いずれも税引前ベース)、WITへの貸付金約16億円の返済など合計すると約78億円のキャッシュを獲得できることになる。この資金を成長事業と位置付けているアドバンストテクノロジー事業や新規事業の育成などに投下していくことで、中長期的な成長を目指していく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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