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後場に注目すべき3つのポイント~「リフレトレード」本格再開は期待できるか?  8月12日12時23分

12日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は5日続伸、「リフレトレード」本格再開は期待できるか?
・ドル・円は底堅い、米金利の下げ渋りで
・値上がり寄与トップはネクソン<3659>、同2位が第一三共<4568>

■日経平均は5日続伸、「リフレトレード」本格再開は期待できるか?

日経平均は5日続伸。57.31円高の28127.82円(出来高概算5億3000万株)で前場の取引を終えている。

11日の米株式市場でNYダウは続伸し、220ドル高となった。S&P500指数とともに連日で過去最高値を更新。7月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、インフレ過熱や連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の早期縮小への懸念が後退した。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで106円高からスタートすると、朝方には一時28279.80円(209.29円高)まで上昇。ただ、引き続き戻り待ちの売りが出やすいほか、中国・上海株や香港株の伸び悩みもあって、買いが一巡すると上値の重い展開となった。

個別では、郵船<9101>や商船三井<9104>といった海運株の上昇が目立ち、川崎船<9107>は9%上昇している。レーザーテック<6920>も堅調で、ソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>は小高い。決算発表銘柄ではSMC<6273>や電通グループ<4324>が買われ、ネクソン<3659>は急伸。また、国際紙パルプ商事<9274>が東証1部上昇率トップとなり、玉井商船<9127>はストップ高水準での買い気配が続いている。一方、SUMCO<3436>と楽天グループ<4755>が2~3%の下落。楽天グループは上期の赤字拡大をネガティブ視した売りが優勢となっている。任天堂<7974>や東エレク<8035>も軟調で、トヨタ自<7203>は小安い。また、グレイス<6541>などが東証1部下落率上位に顔を出している。

セクターでは、海運業、鉱業、非鉄金属などが上昇率。一方、空運業、精密機器、陸運業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の53%、対して値下がり銘柄は40%となっている。

本日の日経平均は米株高の流れを引き継いで朝方に200円超上昇する場面もあったが、その後伸び悩んで前場を折り返した。一昨日をほうふつとさせるような動きだ。個別・業種別では海運業を筆頭に景気敏感系バリュー(割安)株が買われる一方、半導体関連などの値がさグロース(成長)株や空運業などの経済再開関連は軟調。ここまでの東証1部売買代金は1兆2000億円あまりで、ここ数日と同じ1日通じて2兆4000~6000億円水準となりそうなペースだ。新興市場ではマザーズ指数が-0.86%と4日ぶり反落。人気銘柄の相次ぐ急落による追い証(追加担保の差し入れ義務)発生などへの懸念は和らいだようだが、マクアケ<4479>が急反落するなど一段の戻りを試す動きは限られている。

さて、慎重派と目されているだろう筆者(昨年などは上げ相場を主張していたが)も、米10年物国債利回りが戻りの節目とみられていた1.3%水準を上回ってきたことで、日経平均は目先28500円前後まで戻す場面が出てくるとみている。昨年来、日経平均や東証株価指数(TOPIX)の動きは米長期金利と連動し、日本株全体として「景気敏感系バリュー株」に位置付けられていることは明白だ。海外投資家が夏季休暇から復帰し始め、米7月雇用統計の強い数字を受けて、低下基調が続いていた米長期金利は足元で水準訂正の動きを見せている。これに伴い、前日の先物手口を見てもTOPIX先物に海外勢のものとみられる(外資系証券の)買い戻しが入っていた。

もっとも、一昨日の当欄で示唆したとおり、これが「リフレトレード」の本格的な再開につながるとまでは現時点で考えておらず、なお強気の見方が多い株式サイドに対し、債券サイドでもこうした慎重論が散見される。

米10年物国債利回りは売り持ちに傾いていたヘッジファンド等の買い戻しに伴って下方にオーバーシュートし、水準訂正余地があるとの見方が大勢である一方、年末予想を従来の1.7~2.0%程度から1.5~1.6%程度に引き下げる動きが足元で相次いでいる。3月に一時1.7%台まで上昇した米長期金利だが、今回は目線がこれより下に切り下がっているとみた方がいいだろう。従前述べたとおり、そもそもバイデン政権初期ほど大規模な財政支出策が期待しにくいこと、経済活動の再開が一定程度進んだことなどから、もはや「衆目一致でリフレトレードに走る」状況は再現されづらくなった。

これは余談だが、従来は「景気・インフレ高進で買い」、現在は「長期金利抑制で買い」とする米株式関係者のスタンスは、景気の先行き期待などでなく、潤沢な緩和マネーと市場の貪欲な投資意欲が株高を支えていることを如実に物語っているだろう。

また、かねて株式投資家の買い持ちの積み上がりが需給面での重しになると説明してきたが、現物株の取引時間中での指数伸び悩みはこうした筆者の想定以上に戻り売り圧力が強いことを窺わせる。市場全体での信用買い残(東京・名古屋2市場、制度・一般信用合計)は6日申し込み時点3兆4381億円だった。2週連続で減少したとはいえ、ヒストリカルで見ればなお高水準だ。日経レバETF<1570>の純資産総額も4000億円を超える状態が続いているが、ここ数日のネット証券売買代金ランキングでは売り超となっている。個人投資家の戻り売りラインの低下を感じさせる。

最後に国内政治情勢を巡る投資論点についても触れておきたい。東京五輪閉幕後の各社世論調査でも内閣支持率の低下が続き、五輪開催が政権浮揚につながるとの見方はやはり楽観的だったことが明らかになった。これに伴い大規模な経済対策に期待する向きも増えているが、「GoTo」事業に見られるように菅義偉首相は競争主義的な志向が強い印象。麻生太郎副総理・財務相は財政規律に配慮するような発言が多い。一律給付などの広範な経済対策が実現するかどうか慎重に見極める必要があるし、仮に党主導でそれが実現するようなら政権の求心力低下を示しているのかもしれない。

さて、アジア市場では中国・上海株や香港株が足元もみ合い。週末にかけて国内企業の決算発表が続き、今晩発表の米7月生産者物価指数(PPI)も注目されているようだ。後場の日経平均は小高い水準でもみ合う展開になるとみておきたい。
(小林大純)

■ドル・円は底堅い、米金利の下げ渋りで

12日午前の東京市場でドル・円は底堅く推移し、110円前半から半ばで推移した。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の引き締めに関する見解が分かれ、ドルへの売り買いは交錯。そうしたなか、米10年債利回りは下げ渋り、現時点でドル売りは後退しているようだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円32銭から110円45銭、ユーロ・円は129円50銭から129円69銭、ユーロ・ドルは1.1737ドルから1.1745ドル。

■後場のチェック銘柄

・ホープ<6195>、野村マイクロ・サイエンス<6254>など、6銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップは、ネクソン<3659>、同2位が第一三共<4568>

■経済指標・要人発言

【経済指標】

・日・7月国内企業物価指数:前年比+5.6%(予想:+5.0%、6月:+5.0%)

【要人発言】

・ホワイトハウス
「新型コロナ感染件数、いくらか横ばいになっている」
「OPECプラスに増産を要請」

・ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁
「異例なFRBの金融緩和を戻す時がきた」
「中立のスタンスに向けて一段と移行すべき」

<国内>
特になし

<海外>
・15:00 英・4-6月期GDP速報値(前年比予想:+22.1%、1-3月期:-6.1%)
・15:00 英・6月鉱工業生産(前月比予想:+0.3%、5月:+0.8%)
・15:00 英・6月貿易収支(予想:-92.00億ポンド、5月:-84.81億ポンド)



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