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新興市場見通し:ハイテク優位続くが「政治」論点浮上の影響は?IPO多数BBへ  9月04日14時50分

今週の新興市場では、やはり週初から主力IT株を中心に買いが先行した。米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」後、米長期金利の低下とともに米ナスダック総合指数が連日で高値を更新するなど、ハイテク株優位の地合いとなったことがマザーズ指数の一段の上昇を後押しした。ただ、日足チャートで1130pt近辺に位置する75日移動平均線水準を回復すると、利益確定の売りも出て上値は重くなった。また、政局の流動化とともに日経平均が大幅に上昇すると、物色の矛先を大型株に向ける向きもあったようだ。なお、週間の騰落率は、日経平均が+5.4%であったのに対して、マザーズ指数は+2.3%、日経ジャスダック平均は+2.2%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ<4385>が週間で2.5%高、JMDC<4483>が同7.2%高と堅調。JMDCは新サービスに係るリリースが材料視されたこともあり、上場来高値を更新した。Appier Group<4180>は同14.3%高と大きく上昇。売買代金上位では、前の週に上場し初値低調だったジェイフロンティア<2934>が一転、大いに賑わった。また、グローバルウェイ<3936>は連日のストップ高で2倍超に急伸した。一方、ビジョナル<4194>が同1.6%安とやや軟調で、すららネット<3998>は利益確定売りがかさんだ。また、海帆<3133>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力では東映アニメーション<4816>が同13.5%高となり、時価総額トップに浮上。ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>も同6.5%高と堅調だった。また、フェローテックHD<6890>などが大きく買われ、トミタ電機<6898>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、ワークマン<7564>は同4.8%安と軟調で、京極運輸商事<9073>などが下落率上位に顔を出した。IPOでは、9月2日上場のモビルス<4370>が公開価格を43%、メディア総研<9242>が7%それぞれ上回る初値を付けた。

来週の新興市場では、マザーズ指数のしっかりした動きに期待したい。米国を中心とした市場全体に、米長期金利の伸び悩みを背景にハイテク株優位が続きそうだ。もっとも、菅義偉首相の退陣表明を受けて政治情勢が最大の投資論点に浮上し、海外投資家も日本株への関心を高めるなか、主力大型株の売買が中心となる可能性はある。また、マザーズの1日当たり売買代金は8月末ごろからやや増加しているが、既存投資家の循環的な買いの範囲内か。ニューマネー流入の印象はなお乏しい。

来週は、9月9日にステムリム<4599>、10日にブレインズテクノロジー<4075>、セルソース<4880>、イトクロ<6049>などが決算発表を予定している。ブレインズは上場後初の決算発表だが、異常検知などのAI(人工知能)ソフトウェアで業績急伸中。再生医療のセルソースも好調が続くか注目されそうだ。また、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)の行方は見通しづらいが、弁護士ドットコム<6027>などに思惑買いが向かう可能性もある。

IPO関連では、来週の新規上場企業はないが、シンプレクス・HD<4373>やセーフィー<4375>といった9月後半の上場案件が順次ブックビルディング(BB)期間に入る。件数がまずまず多く、やや大型の案件も散見されることから需要状況を注視したい。なお、今週はワンキャリア<4377>(10月7日、マザーズ)の新規上場が発表されている。




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