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明日の株式相場に向けて=ソフトバンクGは復活の鐘を鳴らすか  9月07日17時00分

 きょう(7日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比256円高の2万9916円と7連騰を達成、朝方に3万円大台を回復する場面もあった。前日の米国株市場はレーバーデーにより休場だったが、ここ最近は米国株の顔色をうかがうことなく日本株固有のダイナミズムが発揮されている。8月相場は上旬と下旬でムードが大きく変わったが、波の浮き沈みで潮の流れそのものが変わるという類のものではなかった。しかし実質9月相場入りとなった8月30日からの上昇相場は、明らかに潮流の変化を意味している。

 衆院解散・総選挙と自民党総裁選が意識されるなか、菅首相の退陣表明で一気に空売りの買い戻しを誘発する形となった。今週末10日にメジャーSQ算出を控えていることもあり、先物主導でAIアルゴリズム取引がここぞと本領を発揮した。しかし、その裏側では海外マネーの日本再上陸、即ちファンド系資金による実需買いの動きも観測され始めている。きょうは日経平均がフシ目の3万円大台を回復し、その後はさすがに反動が出て上げ幅を縮小したものの売買代金は3兆4000億円台に達し、3兆5000億円強をこなした6月18日以来、約3か月ぶりの高水準となった。

 そして、ソフトバンクグループ<9984.T>。ついにというか、漸くというべきか大幅高に買われた。売買代金も日本郵船<9101.T>を押さえて断トツとなり、久々にかつての指定席に戻ってきた感がある。周知の通り日経平均寄与度が際立って高い銘柄で、全体相場が前週から先物主導の急騰局面に突入し裁定買いによる株価浮揚効果が働いていたはずだが、それでも上値の重さが拭えなかった。しかし、きょうはその鬱憤を晴らすような上げ足をみせた。

 後場終盤にはソフトバンクGがドイツテレコムと戦略的パートナーシップを結び、ソフトバンクGが保有するTモバイル株約4500万株と、ドイツテレコム株2億2500万株を“交換”することで合意したと発表、これが株価の刺激材料となった。「Tモバイルのエグジットができたことは同社にとってプラス材料」(ネット証券アナリスト)という見方があるほか、ドイツテレコムとの協業メリットも小さくなさそうだ。

 8月下旬には10兆円台まで時価総額を落とし6000円台を割り込んだ時もあった。「(ソフトバンクGは)ヘッジファンドなどの空売り筋にすれば流動性があるうえ、安心できる売りターゲットに位置づけられている」(中堅証券ストラテジスト)という声も出ていたほどだったが、きょうはその空売りの買い戻しを強要する格好で跳ね上がった。同社株の場合、PER2倍台とはいえ少なくとも割安株の範疇にはない。しかし、中国リスクをある程度見極められれば、ファンドの実需買いを誘導するに十分な魅力がある。

 このほか個別ではレーザーテック<6920.T>をはじめ半導体関連の主力株が上げ一服商状にある。東京エレクトロン<8035.T>は9連騰と意地をみせているものの後場は伸び悩み気味であったし、アドバンテスト<6857.T>、ディスコ<6146.T>なども冴えない動きとなった。とはいえ、同セクターの中小型株は時間差で資金が流れ込みやすい。Mipox<5381.T>やマルマエ<6264.T>などが強いチャートを形成しており、目先の押し目は注目しておきたい。また、半導体商社にも動きが出ている。直近は米アローエレクトロニクスとの海外展開で業績を伸ばしている丸文<7537.T>が動意をみせたが、このほか佐鳥電機<7420.T>や栄電子<7567.T>といったところにも上値妙味がある。

 一方、海運株は日本郵船が1万円大台にあと20円に迫ったものの、その後は利益確定売りで押し返されるなど、さすがに一休みの場面となった。ただし、海運市況の高騰は周辺企業にも収益チャンスを与えている。港湾運送や倉庫関連株に物色の矛先が向きやすくなっている。最近では大運<9363.T>が再び戻り足を強め、上ヒゲでつけた8月18日の年初来高値634円奪回を目指す動きにあるが、このほか75日移動平均線近辺で調整一巡感のあるヒガシトゥエンティワン<9029.T>や、チャートにうねりが出ている杉村倉庫<9307.T>などに注目したい。海運以外では、明和産業<8103.T>と同じ三菱系商社で再生可能エネルギー分野に傾注する東京産業<8070.T>もマークしたい。

 あすのスケジュールでは、4~6月期GDP2次速報と7月の国際収支が朝方取引開始前に開示される。このほか後場取引時間中に8月の景気ウォッチャー調査が発表される。海外では、米ベージュブック(地区連銀経済報告)、7月の米消費者信用残高など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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