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明日の株式相場に向けて=ソフトバンクGにチャイナマネー  9月08日16時59分

 きょう(8日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比265円高の3万181円と8連騰、ついに終値で3万円台を回復した。そしてTOPIXも8連騰、こちらは高値引けで1990年8月以来、約31年ぶりの高値圏に浮上している。

 きょうは朝方に日経平均が安く始まり、さすがに利益確定売り圧力が顕在化してきたが、下値では買いが厚く容易に下がる気配がない。取引開始後10分もしないうちにプラス圏に切り返し、その後は次第高で前場終盤には300円以上の上昇をみせ3万200円台まで上昇。売り方にすればお手上げ状態というところだ。

 もっとも3万円から上は少々話が違って動きが鈍くなるという指摘もある。機関投資家の動きに詳しい市場関係者によると「GPIFトレードと呼ばれているが、GPIFの保有株の時価総額が、日経平均が3万円を上回ってくると日本株の割合がオーバーウエートとなることでポジションを減らす必要があり、下値で2万7500円を下回ると逆に日本株の割合がアンダーウエートとなるため買いを入れてくる。その動きをにらんだトレードを行っている投資家もいる」と指摘する。

 きょうの相場で圧巻だったのは、いうまでもなく前日に続きソフトバンクグループ<9984.T>だ。前日は全市場を通じて群を抜く売買代金をこなしたが、きょうも他を圧倒する活況ぶりで、何とNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570.T>の売買代金の3倍近い5000億円を超える水準を1銘柄でこなした。市場関係者の話では「空売り筋の踏み上げも影響しているのは確かだが、今回の同社株の上昇は強力な先導役がいる」(ネット証券マーケットアナリスト)という。買っているのは中国系資金という見方が強い。「(ソフトバンクGへの買いは)中国系証券会社からの大口注文であり、Tモバイル株との株式交換によるドイツテレコム株取得くらいの材料ではここまでの買いは入ってこない」(同)とする。

 ソフトバンクGの5月中旬の株価急落はMSCIの指数イベントに絡む機械的な売りが影響したとみられていたが、その後も次第安の展開でほとんどリバウンドの気配すらないままに下値を模索し続けた。中国当局のネット系企業への統制強化が懸念視され、アリババ集団<BABA>をはじめ滴滴出行(デイディ)や衆安保険、貝殻找房(KEホールディングス)といった企業に投資する同社への影響が警戒されるなか、株安トレンドから脱却するメドが立たなかった。

 ところが、ソフトバンクGの急反騰は予期しにくいタイミングで現実化した。メジャーSQ算出を控えてはいるが、どうやらそれに絡んだ買い戻しということではないらしい。仕掛けたのはチャイナマネー。市場では「自社株買い発表の話も噂としてあるが、決算発表に絡まないこのタイミングで、出てくるとはなかなか考えにくいところ。同社もしくは傘下のビジョンファンドで保有する中国企業のエグジット(投資資金回収)が何らかの形で見込めるという思惑が働いているのかもしれない」(中堅証券ストラテジスト)という。そして、もうひとつ注目されるのは、同社株への売買で欧米系ファンドが静寂を保っていることだ。「一部ショート筋の買い戻しを誘ってはいるものの、(欧米系に)大きな動きはない。ショートカバーで戻っているとすれば上値は限定的だが、そうでない場合、明確な材料は不明ながら、今後欧米系ファンドの買いを交えて中期的な戻り足を形成する可能性もある」(同)。

 このほか個別では、トヨタ自動車<7203.T>が電気自動車(EV)などに使用する車載電池の開発に2030年までに1兆5000億円を投資する方針を表明したことで、周辺の電池関連株に物色の矛先が向いた。ひと通り動意づいているが、しばらく同関連株は脱炭素というテーマがバックグラウンドにあるだけに、波状的に買いが向かう可能性が高い。2次電池材料を手掛ける第一稀元素化学工業<4082.T>や全固体電池量産化に向けた研究開発に傾注するカワタ<6292.T>などはマークしておきたい。更に振動試験装置で屈指の競争力を誇るIMV<7760.T>は、燃料電池やEV用電池試験で商機が高まる可能性が出てきた。

 あすのスケジュールでは8月のマネーストック、8月の工作機械受注など。海外では8月の中国消費者物価指数(CPI)、8月の中国卸売物価指数(PPI)など。海外ではECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見が注目される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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