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NYの視点:米8月CPIの伸び7カ月ぶり低水準に、9月FOMCでのテーパー発表の確率低下  9月15日07時32分

米労働省が発表した8月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.3%となった。伸びは7月+0.5%から予想以上に鈍化し1月以降7カ月ぶり低水準にとどまった。前年比では+5.3%。伸びは予想通り7月+5.4%から鈍化し5月来で最小となった。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している食品やエネルギーを除いたコア指数は前月比+0.1%と、予想外に7月+0.3%から鈍化し2月来で最小。前年比では+4.0%と、7月+4.3%から予想以上に鈍化し5月来で最小となった。特に前年比での伸びの鈍化により、インフレ過熱への警戒感が後退した。

先週発表された8月生産者物価指数(PPI)でも前年比では高水準となったが、前月比では鈍化の兆しも見られ、今後、前年比でも伸びが弱まる可能性が示唆された。FRBの予想通り、最近見られていた高インフレが一時的要因によるものであることが証明されつつある。

*8月CPI主な項目
ガソリン:+2.8%(7月+2.4%)
食品:+0.4%(+0.7%)
中古車:−1.5%(+0.2%)
運輸:−0.1%(+0.6%)
航空運賃: -9.1%(−0.14%)

経済活動の再開により大幅に上昇した航空運賃やホテルの宿泊費、輸送費などが8月に下落したことが全体指数を押し下げた。8月の航空運賃価格は-9.1%。7月の‐0.14%に続き2カ月連続のマイナスとなった。各航空会社は新型コロナウイルスのデルタ変異株流行の拡大により予約が減少、キヤンセルの増加も目立ったとし、第3四半期の業績見通しを軒並み引き下げた。パンデミックの影響で需要が急増した中古車、トラックの指数も2月以降初めて下落に転じたこともCPIの伸びを弱めた。

この結果は来週21日、22日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策決定会合において参考になる。新型コロナウイルス変異株の感染拡大により、8月の消費信頼感は落ち込んでおり、今後の消費や景気回復の障害になる可能性も警戒される。

インフレの鈍化や消費者マインドの悪化で、FRBがQE縮小を急き、9月FOMCで、資産購入策の縮小計画を発表する必要性を低下させる。しかし、9月会合で、11月の量的緩和(QE)縮小開始を協議する余地は十分にある。同時に、引き続き利上げとQE縮小の違いを再表明し、金融引き締めの開始がまだ先になることを強調する可能性が強い。






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