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ウイルプラスH Research Memo(5):加速するEV化に積極的に対応することで、先行者利得を追求 10月12日15時15分

■ウイルプラスホールディングス<3538>の事業戦略

3. 加速するEV化に向けた取り組み
日本政府は2021年4月に、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする『脱炭素社会の実現』達成のために、2030年度のCO2排出量を2013年度比で26%削減から46%削減に引き上げることを発表した。また、6月に発表された『2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略』では、遅くとも2030年代半ばまでに乗用車の新車販売の全てを電動車化するための包括的な措置を講じている。具体的には、電動車(EV、PHV、FCV)の普及促進のためにサービスステーションに急速充電器1万基等、公共用の急速充電器3万基を含む充電インフラを15万基設置し、遅くとも2030年までにガソリン車並みの利便性を実現することを目指す。

この脱炭素化の潮流で、ガソリン車・ディーゼル車の新車販売を禁止する動きが加速している。一例を挙げると英国及びフランスは、2040年までにEV以外の新車販売を禁止することを2017年に表明していた。英国はさらにこれを前倒しにし、ガソリン車・ディーゼル車を2030年に、ハイブリッド車を2035年に販売禁止することとした。その他、米国カリフォルニア州や中国でも同様の取り組みが進んでいる。これに対し日本は、遅くとも2030年半ばまでに乗用車の新車販売のすべてを電動車化することを検討している。また、小池東京都知事は国に先駆け、2030年までに都内でのガソリン車の新車販売禁止を宣言している。

脱炭素化で先頭を走る欧州では、各自動車メーカーがEV化で日本に先行しているが、これは同社にとっては追い風と言える。同社が取扱うブランドのEVとしては、Jeep「Regegade 4Xe」(PHV)、FIAT「500e」、BMW「iX」「iX3」、MINI「ミニクーバーSE」、VOLVO「XC40 Recharge」(PHV)、PORSCHE「タイカン」などがあり豊富である。なお、ボルボは2030年にすべての新車のEV化を予定しているほか、ジャガー/ランドローバーは2025年にJAGUARをフルEVブランドにシフト、MINIは2030年代初期にフルEVのブランドにシフトするなど、完全EV化に向けて各社が意欲的な目標を掲げている。

攻めの経営をする同社では、加速するEV化での先行者利得を追求する方針である。具体的には、全店舗に最新の充電器の設置を推進(全店舗の84%に設置済、加えて急速充電器を順次設置中)している。また、いち早くEVの試乗体験を提供するために、EVのデモカー導入も推進している。

一般的に、ICE(内燃エンジン)車の寿命は13.6年と言われている。これに対してEVは、バッテリーの性能もあり7~8年とされているものの、今後EVが市場に出回ることで、性能が短期間で向上するだけでなく、買い替えサイクルの短縮化も予想できる。欧州ではEVの整備作業は高電圧システムの取扱いとみなされており、高電圧システムが取り扱える資格取得が重要になる。これらを踏まえ同社では、販売だけでなく整備面でも人材育成に取り組む方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)




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