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明日の株式相場に向けて=新政権の色を映した原発関連株 10月13日17時00分

 きょう(13日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比90円安の2万8140円と続落。きょうは金利上昇ではなく、経済減速を嫌気する形での軟調地合いとなった。前日に発表されたIMF世界経済見通しでは21年の実質成長率予測が5.9%に引き下げられた。前回7月の予想からは0.1ポイントのわずかな修正だが、国別にみると米国については1.0ポイントの大幅な下方修正となった。また、中国についても21年、22年ともに0.1ポイントずつだが見通しを引き下げている。なお、前回予想が21年で2.8%と低空飛行の日本についても0.4ポイント引き下げられ2.4%と厳しい見通しとなった。

 厄介なことに、景気回復にピークアウト感が見えるなか同じ時間軸でインフレも警戒されている。コモディティ価格の高騰はいずれ川下に波及し消費にも悪影響を与えることは避けられない。しかし、一方でFRBは依然としてインフレは一過性であるとの基本スタンスを維持している。「もし、本当にインフレを懸念しているのであれば金(先物価格)が上がるはずである」というのが、インフレ一過性を唱える側の論拠となっている。「何よりも米10年債利回りの上昇が警戒されているとはいっても、現時点では1.6%前後でとどまっているわけで、これを見る限り債券市場はFRBを信じている、といっても過言ではない」(生保系エコノミスト)と主張する。

 そうしたなか、きょうの東京市場ははっきりしない動きとなった。ひとことで言えば気迷い相場である。朝方は日経平均が安く始まったが、取引開始後5分後に2万8000円台を割り込んだところできょうの底値を形成。そして、意外にもその後は風に巻かれるように舞い上がり、午前9時40分過ぎには2万8300円台まで浮上した。この朝方の40分間で日経平均はマイナス圏から370円以上も水準を切り上げたが、実需の買いが入っているような感触はなく、先物主導の文字通り木の葉が宙を舞うような上昇だった。その後日経平均は再びスルスルと値を下げてマイナス圏に沈んでいる。後場は一転して動きの乏しい展開で、2万8100~2万8200円を中心とする狭いレンジで粛々と売り物こなすような動きに終始した。引け際はやや手仕舞い売りに押されたが、自然発生的なもので下値を叩くような類いのものではなかった。

 振り返って9月下旬から10月上旬にかけての暴落は肝を冷やした向きも多かったと思われるが、10月7日から週をまたいで11日までの3営業日で1000円近く戻したところではマーケットに安堵感が漂った。だが、中長期波動の分水嶺である75日移動平均線に頭を押さえられ、再び下値を探っている現状は、まだ相場の「緊急事態宣言」は解除されていない局面といってもよい。

 ここは引き続き予断を挟まずに対応するよりないところで、野球のバッターの心境で言えば、次に来るのがストレートかカーブかあるいはフォークかなどとは考えずに、来た球を打つというのが、このタイミングでの個別株戦略の心得となろう。きょうは、日本経済新聞の12日のインタビューで自民党の甘利幹事長が「耐用年数が近づいている原発については小型炉で建て替えるべき」という主旨のコメントをしたことが伝わり、助川電気工業<7711.T>や木村化工機<6378.T>など原発関連に位置づけられる銘柄に物色の矛先が向いた。そして、同関連では東京エネシス<1945.T>が見落とされているように見える。同社株は太陽光発電などの再生可能エネルギーや水素関連としての切り口もある。PBRも0.5倍台で1000円トビ台は強気に対処できる水準と思われる。

 また、きょうは不動産株に資金が流れたことを追い風に、前日紹介したアスコット<3264.T>が上ヒゲをつけない形での大幅続伸。一方、貴金属リサイクルのアサカ理研<5724.T>も強い動きであった。そして、中長期で強力な上昇波動を形成しているのがコメ兵ホールディングス<2780.T>だ。こちらは中古ブランド品のリユース・リサイクルで、業績も絶好調。継続的に追ってきたが、全体相場に流されることなく我が道を行く上昇パフォーマンスがどこまで続くのか楽しみな存在となっている。

 あすのスケジュールでは、臨時国会会期末、衆議院解散。5年物国債の入札も予定される。また、東証1部にPHCホールディングス<6523.T>が新規上場する。海外では、9月の中国消費者物価指数(CPI)、9月の中国卸売物価指数(PPI)のほか、9月の米PPIにマーケットの関心が高い。また、シンガポールでは金融通貨庁が金融政策を発表する。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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