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日経平均は大幅続伸、政権運営安定化への期待で買い先行も、中長期勢はまだか 11月01日12時12分

 日経平均は大幅続伸。645.46円高の29538.15円(出来高概算6億5095万株)で前場の取引を終えている。

 前週末10月29日の米株式市場でのNYダウは89.08ドル高(+0.24%)と続伸し、終値ベースでS&P500指数と揃って史上最高値を更新。9月個人消費支出(PCE)デフレーターなどの上昇でインフレ懸念が重しとなったほか、前の日に決算を発表した米IT大手のアップルやアマゾンが失望感から売られたことが一時全体を押し下げた。しかし、押し目買い意欲も強く、引けにかけて回復すると上げ幅を拡大。電気自動車(EV)のテスラや半導体メーカーのエヌビディアなどハイテク株も買われ、ナスダック総合指数も+0.32%と史上最高値を更新した。

 こうした米株高が追い風となるなか、前日に投開票された衆院選において自民党が単独過半数を獲得したことが好感され、大型財政出動への期待も高まり、本日の東京市場では先物主導で買い戻しが入った。指数インパクトの大きい値がさ株やハイテク株を中心に買われるなか、日経平均は437.99円高の29330.68円でスタートすると、上げ幅を拡げ、寄り付き30分以内には29633.33円(740.64円高)まで買われた。ただ、その後は戻り待ちの売りから一時は29500円を割り込む場面も見られた。それでも、失速の勢いはつかず、断続的な買いから高値圏での推移が続いた。

 個別では、7-9月期大幅減益も受注拡大を好感した買いが優勢となったレーザーテック<6920>が大幅高となっており、東エレク<8035>やアドバンテスト<6857>なども大幅に上昇。子会社のセガとマイクロソフトによる戦略的提携に関するリリースが材料視されたセガサミーHD<6460>も大幅高。そのほか、主力株では、ソニーG<6758>が急伸し年初来高値を更新。ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>など指数寄与度の大きい銘柄も大幅に上昇。日本郵船<9101>、トヨタ<7203>、キーエンス<6861>、ファナック<6954>、三菱UFJ<8306>なども買われている。

 衆院選の結果を受けて、東証1部値上がり率上位には、岸田政権関連株として再注目されたポピンズHD<7358>のほか、決算や業績上方修正を材料に伯東<7433>、保土谷化<
4112>、旭有機材<4216>、クレハ<4023>、マンダム<4917>などが並んでおり、ストライク<6196>はストップ高買い気配となっている。

 一方、受注のピークアウトなどが懸念された村田製<6981>が売り優勢で軟調、7-9月期決算や中間配当減配が嫌気された野村<8604>は大幅下落。1部値下がり率上位には、決算や業績下方修正を材料にIRJHD<6035>、アイネス<9742>、双信電機<6938>、GセブンHD<7508>、トランス・コスモス<9715>、日本冶金工業<5480>、アズワン<7476>、アバント<3836>、中国電力<9504>などが並んでいる。通期業績を下方修正したメンバーズ<2130>、H2O傘下入りが決定しTOBプレミアムがはく落した関西スーパ<9919>はストップ安売り気配となっている。

 セクターでは精密機器、機械、食料品、電気機器、化学などが上昇率上位となっている一方、証券・商品先物取引業、空運業の2業種が下落となっている。東証1部の値上がり銘柄は全体の80%、対して値下がり銘柄は16%となっている。

 本日の日経平均は久々の急伸劇で、9月30日以来となる29500円を回復。朝方の買い一巡後はもみ合いとなったものの、概ね高値圏での堅調推移が続いた。今回の衆院選については、事前に、自民党が単独過半数を獲得できるかの攻防と伝わっていた。そのため、議席数を減らしたとはいえ、自民党が単独過半数獲得に成功しただけでなく、国会の安定運営に必要とされる絶対安定多数をも単独で確保したことにはポジティブサプライズ感が伴い、これを素直に好感した動きが先行しているようだ。

 ただ、日経平均と東証株価指数(TOPIX)との上昇率に開きがあり、東証1部売買代金上位をみても指数寄与度の大きい値がさ株中心に上昇しているところを見ると、短期筋による日経平均先物の買い戻しが中心とみられる。日経平均は、朝方の買いが一巡した後はほぼ横ばいで、前場中頃には再び一時29500円を割り込んだ場面も見られており、この水準での戻り待ちの売り圧力も根強い様子。

 衆院選を終え、今後の政局安定化が期待されるところだが、政権の真価が問われるのはこれからだ。自民党は、絶対安定多数を獲得できたのであるから、日本の経済成長につながる具体的な政策を今後どんどん推進してもらいたい。海外勢も、いま買ってきているのは短期筋が中心で、中長期目線の投資家による買いにはまだ本腰が入っていないだろう。こうした投資家らは、政権の具体的な政策を注視しており、物足りないとの評価に至れば、日本株を敬遠する動きは解消されないだろう。

 一方、立憲民主党が議席を減らしたことで、今回の衆院選では野党共闘の効果が見られず、野党は戦略の見直しが求められる結果となった。しかし、他方で、日本維新の会は議席数を4倍近くに増やしている。国民の中でも政治に対する変革を望むものは多いということだろう。自民党には、来夏の参院選をも意識した緊張感を持ってもらいながら、是非とも国家のための政策を推進していってほしい。

 さて、後場の日経平均は引き続き29500円を挟んだもみ合い展開となりそうだ。東京市場は、3日が文化の日の祝日で休場となる。米国では2日から米連邦公開市場委員会
(FOMC)が開催され、3日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見がある。量的緩和策の縮小(テーパリング)開始の正式決定などは市場にほとんど織り込み済みであるため、特段の波乱はないと思われるが、祝日やイベントを前にやや様子見ムードが強まりやすいだろう。


<AK>

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