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ワコム Research Memo(7):コロナ禍前の数年は「テクノロジーソリューション事業」が業績の伸びをけん引 11月30日15時47分

■これまでのワコム<6727>の業績推移

コロナ禍以前の2020年3月期までの売上高推移を見ると、2017年3月期にいったん大きく落ち込んだのは、円高や製品サイクルの移行、サムスン電子製品のリコール等の影響が重なったことが理由である。その後は、「テクノロジーソリューション事業」の伸びとともに回復したものの、「ブランド製品事業」については縮小傾向をたどり、「ブランド製品事業」のマイナスを「テクノロジーソリューション事業」のプラスでカバーする構造が続いてきた。もっとも、2021年3月期はコロナ禍をきっかけとしてオンライン教育向けなどを中心に「ブランド製品事業」が急拡大し、過去最高業績を更新した。

なお、「ブランド製品事業」が2020年3月期まで縮小傾向にあったのは、主力となってきた「ペンタブレット製品」における中低価格帯での競争激化に対して、「ディスプレイ製品」への戦略的な需要シフトで十分に埋め合わせできなかったことが理由である。ただ「ディスプレイ製品」は、利益率の高いエントリーモデルが新たな市場を開拓しながら軌道に乗ってきているため、売上高の中身(構成比)が変化しつつあることには注意が必要である。

一方「テクノロジーソリューション事業」におけるここ数年の伸びは、タブレット・ノートPC向けペン・センサーシステムの市場拡大に加え、スマートフォン向け(特に、サムスン電子のGalaxyシリーズ向け)も機能強化の効果により、好調に推移していることが理由である。

損益面では、営業赤字となった2017年3月期を除くと、積極的な研究開発や新製品開発をこなしながら営業利益率は4%台から6%台で徐々に改善してきた。2021年3月期は大幅な増収に伴う収益の押し上げや製品ミックスの改善、販管費の最適化等により利益率の大幅な改善を実現している。

財務面では、減損損失の計上により大幅な最終損失となった2017年3月期の自己資本比率はいったん低下したが、その後は内部留保の積み増しにより改善傾向にあり、当面の財務健全化の目安である60%に近づいてきた。また資本効率を示すROEも2ケタ水準で推移しており、同社の財務内容は優れていると評価できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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