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明日の株式相場に向けて=「陰の極」×「SQ週」の導き出す解 12月06日17時00分

 週明け6日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比102円安の2万7927円と反落。注目された11月の米雇用統計は、雇用者数が市場コンセンサスを大きく下回ったものの、失業率の低下が顕著で経済回復に向けた動きが確認された、と解釈された。この解釈が相場に果たしてプラスなのかどうかもよく分からない。いずれにせよ今月14~15日の日程で行われるFOMCの政策に影響を与えるようなものではなかった。
 
 一方、東京市場では岸田首相の所信表明演説も特に材料視されることなく、不安定な地合いが綿々と続いている。今週末にはメジャーSQ算出が待っているだけに、株式需給に支配され、理論の領域から外れた荒れ模様となりやすい。前週の続きで、今はキャッシュポジションを高くしておくのが得策だ。全体指数も予測不能だが個別株も同様であり、言葉は悪いが人間がAIのカモにされているような相場である。出る杭は打たれる地合いで強い株ほど空売りターゲットとなりやすい。また、落ちてくるナイフもつかんではいけない。むやみに値惚れ買いに走ると、とんでもなく下値が深いというケースもある。

 騰落レシオなどのテクニカル指標が「陰の極」を暗示するなかで、前週末の日経平均の終値が276円高と高値引けで2万8000円台を回復したことから、目先底入れに対する期待感も少なからずあった。しかし、同日の欧州時間に入ると取引終盤に再びリスクオフムードが醸成され、ドイツやフランスなどの主要株指数が軒並みマイナス圏で引けた。その嫌な流れをそのまま引き継いで米国株市場ではハイテク株に売りがかさみ、ナスダック総合指数が2%近い下げとなり、恐怖指数と称されるVIX指数も一時35.32まで急上昇(終値は30.67)する場面があった。

 新型コロナウイルスのニューフェイスに振り回されているようだが、今の弱気相場の根幹は別のところにある。オミクロン株は感染力こそ強いが、どうやら重症化はしにくいということが分かってきた。もちろん、症例はまだ少なく予断は許さない状況にあることを十分理解したうえで、可能性として人類が「ウィズコロナ」を受け入れやすい環境になりつつあるという見方もできる。“弱毒化”したウイルスがこれまでのデルタ株を押しのけて主役に入れ替わってきた現状は、当初楽観論としてイメージされた“風邪”のレベルに、ウイルス自らがグレードを下げてきたという仮説も成り立つ。経済活動への影響が出るとしても、既にマーケットは新型コロナの“経済に対する毒性”を存分に学んできている。いうまでもなく、オミクロン株という今回の変異ウイルスが株価を暴落させるインパクトには乏しい。

 とはいえ米国をはじめ世界株市場が変調であることは間違いがない。マーケットが恐れているのは、インフレ圧力とのチキンレースに白旗を上げたパウエルFRB議長の変節である。インフレはあくまで一時的であって早晩収まる、というシナリオを事実上撤回している。おそらく、今なお早期利上げに否定的なECBのラガルド総裁も、遅かれ早かれこれに追随することになるのではないか。

 差し当たってマーケットが注目しているのは10日に発表される11月の米消費者物価指数(CPI)だ。6.7%上昇がコンセンサスというが、これ自体かなりの過熱水準であり、市場筋によると「予想通りならテーパリングの前倒しはほぼ確実で、一回当たり300億ドルの量的緩和縮小で6月ではなく3月に終わらせる方向となるだろう」(生保系エコノミスト)という。もしCPIがコンセンサスを一段と上回る、例えば7%台に乗せてきたような場合は、テーパリングの更なる前倒しと3月利上げの線も現実味を帯びる公算が大きい。もちろん、利上げ局面で必ずしも相場は下降トレンド入りしないという論調もあるが、コロナマネーによる過剰流動性相場の反動はそれほど甘くないかもしれない。とりあえずSQ週の今週は、急落局面があれば一考の余地があるが、そうでなければ池に小石を投げ入れるくらいの打診買いでとどめておくのが得策だ。

 あすのスケジュールでは、10月の家計調査が朝方取引開始前に総務省から開示され、午後は10月の景気動向指数速報値が内閣府から発表される。海外では11月の中国貿易統計、豪中銀の政策金利発表、12月のZEWの独景気予測指数、7~9月の米労働生産性指数(改定値)、10月の米貿易収支、10月の米消費者信用残高など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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