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日経平均は反落、イベント通過後の自律反発の持続性は?  7月10日12時15分

 日経平均は反落。35.77円安の21529.38円(出来高概算5億1000万株)で前場の取引を終えている。

 9日の米株式市場でNYダウは22ドル安と小幅に3日続落。5日発表の6月雇用統計を受けた利下げ期待の後退に伴う売りが先行したものの、10日に予定されるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言の内容を見極めたいとの思惑も強く、小動きとなった。こうした米国株の下落に加え、前日発表された6月工作機械受注額(速報値)が2年8カ月ぶりに1000億円を下回ったこともあり、本日の日経平均は65円安からスタート。寄り付き後は円相場が一時1ドル=109円近辺まで下落したことを支えにプラス転換する場面もあったが、積極的な売買は手控えられ伸び悩んだ。東証1部の値下がり銘柄は全体の6割強、対して値上がり銘柄は3割強となっている。

 個別では、任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>、村田製<6981>などがさえない。キーエンス<6861>やファナック<6954>は工作機械受注の低迷を受けて売られた。新たに施工不良が見つかったと発表したレオパレス21<8848>は6%超安。前日の決算発表銘柄ではイズミ<8273>が4%近く下落し、ERI HD<6083>や竹内製作<6432>は東証1部下落率上位に顔を出した。一方、ファーストリテ<9983>とKDDI<9433>が前日に続き日経平均の押し上げ役となっており、ソニー<6758>やNTT<9432>もしっかり。中小型株では日本通信<9424>が賑わいを見せている。ハニーズHD<2792>、パルHD<2726>、吉野家HD<9861>、リソー教育<4714>は決算が好感されて急伸し、東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、鉄鋼、パルプ・紙、化学などが下落率上位で、その他も全般軟調。
上昇したのは情報・通信、鉱業、精密機器の3業種のみだった。

 日経平均は前日と同様、円安を支えに21500円近辺で底堅さを見せる一方、上値追いの動きも鈍い。前日指摘したとおり、パウエル氏の議会証言の内容を見極めたいとの思惑が強いうえ、8日に続き10日も上場投資信託(ETF)の分配金捻出を目的とした売りが見込まれており、大方の投資家は模様眺めムードのようだ。ただ、明日になればETFからの売り一巡で需給が改善することに期待する向きもある。また米6月雇用統計は堅調な内容だったが、市場が7月利下げをほぼ確実視するなか、米連邦準備理事会(FRB)もこれに沿って「予防的利下げ」を行うとの考え方が聞かれる。パウエル氏が議会証言で緩和姿勢を大きく後退させなければサプライズとは捉えられないか。このため、これらイベントを通過した後の自律反発に期待する買いもじわりと入りそうだ。

 しかし、週後半にかけて小売企業や安川電<6506>の決算発表が控え、来週からは米企業決算の発表、また今月下旬からは国内3月期決算企業の決算発表が本格化する。工作機械受注の低迷や世界的な景況感、国内消費者心理の悪化を見ると、企業決算への期待は高まりにくい。イベント通過後の自律反発も長くは続かない可能性がある。
(小林大純)


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