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根強い現物株買いと「米金融政策」の考察  1月14日12時23分

[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;28849.01;+392.42TOPIX;1880.40;+16.00


[後場の投資戦略]

 前日の米国株は高安まちまちだったが、本日の東京株式市場では投資家の積極的な買い姿勢が続き、日経平均は400円近い上昇で前場を折り返した。足元で興味深いのは、先物でなく現物株主導の相場上昇といった色合いが濃い点だ。年明け以降の日経平均先物や東証株価指数(TOPIX)先物の売買動向を見ると、売買が活発だったのは米ジョージア州での上院決選投票の結果が判明し、相場が大きく動いた7日や8日くらい。前日は日経平均が300円近く上昇した割に、先物の売買はやや低調と言えるほどだった。大局的には上院決選投票やバイデン次期大統領の選出手続きを終え、一呼吸置くタイミングとみる投資家が多いのだろう。

 しかし、現物株市場ではなお先高期待が強く、積極的な売買が行われている。東京証券取引所が13日発表した8日申し込み時点の信用買い残高(東京・名古屋2市場、制度信用と一般信用の合計)は3週ぶりの増加となった。一方で売り残も増加しており、その後の急ピッチの上昇で買い戻しが広がっているとも考えられる。ドル建ての日経平均が1989年末以来およそ31年ぶりに過去最高値を更新し、海外勢の更なる日本株買いに期待する向きもある。

 本日、日経平均のけん引役となっているのはハイテク関連を中心とした主力グロース株。前日の米10年債利回りは続落(債券価格は上昇)しており、長期金利の上昇に歯止めがかかってきたことでグロース株にも改めて買いが入っているようだ。米アトランタ連銀のボスティック総裁が11日、2022年中ごろの利上げの可能性を示唆したなどと報じられたが、やはりというべきか、その後米連邦準備理事会(FRB)高官からはテーパリング(量的緩和の縮小)観測を打ち消す発言が相次いだ。

 以前も述べたが、長期金利の過度な上昇は政策効果を減じる恐れがあるし、FRBがかねて催促していた財政出動が実現しつつあるなかで「金融政策は正常化を模索している」と受け止められるのは政治的にも避けたいところだろう。もちろん大規模な財政支出が実現すれば米長期金利に上昇圧力がかかるだろうが、その際はFRBが資産購入の増額に踏み切る可能性も低くないと考えられる。

 期待インフレ率が2%近くまで回復し、一段の上昇が見込みにくくなってきたことで、名目金利の更なる上昇は実質金利の上昇につながり、「株式相場にとって居心地のいい環境は終えんする可能性がある」などといった指摘もある。しかし、当面はFRBが過度な長期金利の上昇をけん制し、「居心地のいい環境」が続きそうだ。ただ、景気回復や金利上昇の思惑も根強く残ることから、物色的には短期リバーサル(株価の反転)が続くとみておきたい。グロース株にとって良好な環境が続く一方、日経平均の位置の高さを考慮すればゴム製品などの出遅れセクターにも物色の矛先が向かいやすいだろう。長くなってきたのでこのあたりの話はまた次回以降としたい。
(小林大純)


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