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日経平均は反落、決算とともに商品高で重み増す金融政策  4月27日12時22分

 日経平均は反落。79.23円安の29047.00円(出来高概算5億6000万株)で前場の取引を終えている。

 週明け26日の米株式市場でNYダウは反落し、61ドル安となった。ディーズ国家経済会議(NEC)委員長が所得100万ドルを超える納税者に対するキャピタルゲイン課税を週内に提案する可能性を示唆したうえ、商品相場が大幅に上昇したこともあって消費関連株を中心に売りが出た。一方、今週決算発表を予定している主力ハイテク株に先回り買いが入り、ナスダック総合指数は2カ月半ぶりに過去最高値を更新。本日の日経平均は米ハイテク株高や円相場の反落を受けて48円高からスタートした。ただ、国内主要企業の決算発表が本格化し、国内外で重要イベントが控えていることもあって、日経平均は寄り付き直後をこの日の高値に伸び悩み。前場中ごろからは小安い水準でもみ合う場面が続き、この日の安値圏で前場を折り返した。

 個別では、キーエンス<6861>が3%近く下落しているほか、レーザーテック<6920>やソニーG<6758>といった値がさ株の一角が軟調。ソフトバンクG<9984>や任天堂<7974>は小安い。第1四半期決算発表とともに今期業績予想を上方修正したキヤノン<7751>
は朝高後にマイナスへ転じ、日東電<6988>も好決算ながら材料出尽くし感から売りが先行。また、正興電<6653>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、ファーストリテ<9983>や日本電産<6594>が堅調で、東エレク<8035>は小高い。住友化<4005>
は業績上方修正が好感されて買い優勢で、IHI<7013>は急伸。また、山洋電<6516>
などが東証1部上昇率上位に顔を出している。なお、本日はテスHD<5074>が東証1部に新規上場し、公開価格を2割弱上回る初値を付けた。前引け時点で全市場売買代金トップとなっている。

 セクターでは、精密機器、不動産業、化学などが下落率上位。一方、海運業、鉄鋼、非鉄金属などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の45%、対して値上がり銘柄は48%となっている。

 本日の日経平均は米ハイテク株高を追い風に続伸スタートしたものの、その後上値の重い展開となっている。本日ここまでの値幅は140円あまり。日足チャートを見ても、29000円台前半に位置する75日移動平均線手前で一段とこう着感を強めてきた印象だ。東証1部売買代金は1兆1000億円あまりとやや低調で、決算対応と新規上場したテスHDの賑わいを除けば積極的な売買が行われている印象は乏しい。

 主要企業の決算はまずまず良好で、2021年3月期業績の上方修正も相次いでいる。しかし、これまで2月期決算の安川電<6506>を皮切りに、3月期決算発表が始まってからも日本電産やエムスリー<2413>といった注目企業がことごとく急落。本日もキヤノンが朝高後に失速し、住友化は健闘こそしているが高値を取りに行くような動きではない。「既に好業績を織り込んでいる」との見方が強まり、決算反応に神経質にならざるを得ないところだろう。かねて当欄で述べているとおり、人気銘柄は信用買い残の増加や売り方の買い戻し進行が顕著であり、化学などの景気敏感系バリュー(割安)
セクターも株価純資産倍率(PBR)はヒストリカルで見てかなり高いところまで上昇している。住友化は節目の1倍あたりで、売り買いが交錯しやすいところか。

 本日もアドバンテス<6857>、ファナック<6954>、京セラ<6971>などが決算発表を予定しており、連休前の28日と30日も月末とあって主要企業の決算発表が多い。引き続き積極的な買いを手控える向きが多いだろう。

 また、国内外企業の決算発表以外にも今週はイベントが目白押しだ。日米中央銀行の金融政策決定会合(日本が26~27日、米国が27~28日)に加え、28日にはバイデン米大統領が就任後初の議会演説を行う。キャピタルゲイン増税案が浮上したことでバイデン氏の演説内容にも注目したいところだが、足元で穀物・非鉄金属などの商品市況が大きく上昇してきたことで、27~28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が一段と重みを増してくるかもしれない。

 10年ぶり高値を付けた銅はチリの政情不安、大豆やトウモロコシといった穀物は需給ひっ迫が懸念されるなどといった事情もあるようだが、世界的な金融緩和で生み出された膨大なマネーが商品・資産価格を押し上げているのだろう。改めて米国のブレークイーブン・インフレ率(期待インフレ率の指標)を見ると、2.3%台後半と高止まり。インフレ過熱懸念はなおくすぶっている。

 消費者の生活防衛意識が特に強い日本のみならず、米国も給付金が「リベンジ消費」を押し上げているとはいえ、品目ごとの売上の伸びにはばらつきがあり、消費者マインドの基調が強いとも言い切れない。コロナ禍で雇用の不安定さを思い知らされたのだから当然だろう。コストプッシュ型のインフレが到来すれば、消費が冷え込む恐れも十分にある。

 金融政策のかじ取りが難しさを増すなか、日銀や米連邦準備理事会(FRB)からどのような発言が出てくるか注視したい。
(小林大純)


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